広がる大学の教育力格差

一昨日も記事にした「週刊エコノミスト」の「娘、息子を通わせたい大学」特集についてもうひとつ。

記事の中では「広がる大学の教育力格差」という記事でまとめられている。以下、記事の抜粋。

日本には二種類の大学がある。一つは学生のことを恥じている大学であり、もう一種類は学生のことを誇りとしている大学である。・・・この違いはどこから生まれてくるのか。「教育力」をキーワードとして、今の大学を読み解いていきたい。今、日本の高校卒業者の短大を含む大学進学率は56.2パーセントに達する。今までは大学に入ってこなかった層が大学に入ってきていることを意味する。しかも、今の大学生は、家族やコミュニティの教育力の衰退もあり、成長するプロセスで学校への依存度が過去と比べて極めて大きくなっている。そうした状況にある中で一番の問題は、大学に来養育期間としての自覚が希薄なことだ。

そんな中でも、教育に大きくカジをきった大学も出てきている。とくに初年次教育は大学への適応を促進するためのもので、主に以下の点が目的とされる。(1)学生生活や学習習慣などの自己管理(2)高校までの不足分の補習(3)自大学の理解(4)人として守るべき規範の理解(5)リポートの書き方や文献検索などのスタディスキル(6)クリティカルシンキングなど大学で学ぶ思考法の獲得(7)大学の中での居場所や友人の獲得(8)高校までのの受動的な学習から能動的で自立的な学習への変換(9)専門への導入

要は、大学でも「まずは勉強に取り組む姿勢」を学生に教えないと授業が成り立たなくなっている。そうした現状の中で、初年次にそうした姿勢を身につけさせる努力をしている大学とそうでない大学があるということだ。そうした「教育力格差」を知った上での大学選びもしていきたい。記事では国立大学の「教養教育」の総合評価がポイントでランク付けされてもいる。以下に少し抜粋しておく。

総合ポイントが14点の大学  室蘭工業、広島

総合ポイントが13点の大学  山梨、九州

総合ポイントが12点の大学  東北、福島、茨城、東京、東京海洋、東京農工、福井、静岡、山口

総合ポイントが11点の大学  筑波、富山、佐賀

総合ポイントが10点の大学  帯広畜産、北海道、岩手、宮城教育、宇都宮、東京工業など

大学の先生というのは、自分の研究に熱心で学生の教育は片手間、といった人が今でも多いようだ。そんな中で、大学をあげて「教育」に取り組もう、といった姿勢が強い学校が上記のような大学ということだ。私立の大学の中でも、玉川大学、神奈川大学などが初年次教育をはじめとして教育力がある大学として記事の中でとりあげられていた。

偏差値だけでない大学選び、というのはこうした情報を丁寧に集めていくことによってはじめてできることだ。中学選び、高校選びも同じことだと思う。といっても、どこからどのように情報を手に入れるかが難しい。そうした情報を提供できることも塾のチカラといっていいはずだ。