管理栄養士養成課程

 学校のキャリア教育というのは「自分が何をしたいか」ということに重点がおかれている。それはそれで大切なことだ。でも、仕事には、生活の糧を得る、といった重要な側面がある。

 たとえば「管理栄養士養成課程」の学科が増えている。ちょっと前までは「管理栄養士」=「女子大の学科」といった様子だった。それが、ここのところ変わってきている。酪農学園大、東京農業大などの農学系大学。東京医療保健大、川崎医療福祉大などの医療系大学。関東学院大、神奈川工科大などの理工系大学。そんなところに「管理栄養士・栄養士」の学科が設置されている。

 管理栄養士は国家試験の合格が義務づけられていて、2012年度の合格率は49.3%という難易度だ。ただし、4年制の管理栄養士課程に通う大学生の合格率は91.6%なので、こうした課程に進んで学ぶことが資格取得の近道だ。近年、食と健康への社会の関心は高く、この資格を持つ人材へのニーズは高い。

 一般に「管理栄養士学科」の難易度は高い。相模女子大を例にすると、他学科がSS45前後の難易度なのに管理栄養学科はSS51となっている。他の大学もみな同じようなものだ。それでも、女子大ばかりだった選択肢から、男子も通える共学校の選択しも増え、全体に難易度も下がってきて入りやすくなっている。

 難しいといってもSS50をちょっと越える程度だ。日東駒専ラインよりも下にある。そのラインの大学に行くのであれば、「山椒は小粒でぴりりと辛い」といった学部、学科を選択しないと就活が大変だ。そうしたこともしっかりと見すえた大学進学を考えて欲しい。

 大学と職業をリンクさせて考えない、といった意見もあるだろう。私も文学部日本文学科で中世の和歌を勉強していたので、大学での学問と職業をリンクして考えたことは全くない。それでもmiyajukuの生徒たちには伝えたい。自分のやりたいことが強烈にあるのならしかたがないが、もしもそれほど強いものがないのであれば、稼げる仕事に就くための大学での学問、といった観点から学校、学部を選択してはどうだろうか。

 ましてや、GMARCHまでであれば就活に際してそれほど門前払いをくうことはないが、そうでないとエントリーシートがほとんど通らない、といったことがおこってくる。不当な差別があるのが現実だ。そうであるなら、自分の「武器」をしっかりと持った方が良い。「管理栄養士」の資格を持っていれば、それは自分の大きなアドバンテージになることは間違いない。

 管理栄養士という資格はこれからの時代のニーズにはあった資格だといえる。食というカテゴリーは仕事がはばひろい。それだけ仕事に就く可能性も大きいということだ。食にちょっとでも関心があるのであれば、そうした学科も選択肢のひとつに加えてみてはどうだろうか。

 何がしたいか、ではなく、何が出来るか、といった視点。生きていく「糧」を得るための仕事。そんなことも考えて学部、学科を考えてみたい。