「子どもの難問」 哲学の先生、教えてください!

昨晩はちょっと呑みすぎました失敗

本を一冊紹介しておきます。

「子どもの難問」 哲学の先生、教えてください!
野矢茂樹編著 中央公論新書 1,300円

「子どもの難問」 哲学の先生、教えてください!

はじめに、の中にこう書かれている。「私たちの多くは、たえず前に進むことを強いられている。そして哲学は、私たちを立ち止まらせようとする。たとえば人は野菜を作ったり、書類を書いたり・・・なぜ人は働くのか、とは問わない。どうすれば売れ行きを伸ばすことができるかは考えても、働くとはどういうことか、と考え込んだりしないだろう。・・・前に進め、という圧力から身を離し、哲学が開く世界に入り込む。さあ、立ち止まれ! という声が聞こえてくるだろう。」

目次からすこし抜粋してみる。ぼくはいつ大人になるの? / 死んだらどうなるの? / 勉強しなくちゃいけないの? / 頭がいいとか悪いとかってどういうこと? / 好きになるってどんなこと? / 過去はどこに行っちゃったの? / なぜ生きているんだろう? / 悪いことってなに? / 自分らしいってどんなことだろう? / 神様っているのかなぁ? / 幸せってなんだろう? /

どれも、根本的な難問をむき出しのまま裸で突きつけられている。そんな難問に、今の時代の哲学者たちが答えている。たとえば「なぜ生きているのだろう?」に対しては次のように答えられている。「ひとはときに『なぜいきるのだうか』とつぶやく。だが、そう問いかけたとき、実はもう答えをうっすらと感じているにちがいない。生きていることに理由なんかありはしない、と。生きることへの否定的な思いにとらわれ、それでも生を肯定的に捉えたいという希望が、この問いかけの形で現れてくる。ならば、だいじなのは、この問いに正面から答えることではなく、こう問いかけずにはおれない私たちの生そのものを、じっくりと見つめることだ。」

How To 本ばかりが本屋に並べられている今、こうした「足を止めて考えてみる」きっかけになる本を一家に一冊置いてみてはどうでしょうか。読みふける、というよりも、ふと思いついたときに手に取ってみてページをめくってみる。その時々で新しい発見があるようなそんな本です。また、こどもたちには、じっくりと論理を追いかけて著者の言いたいことを理解するのに良い教本にもなると思います。

たまには時間を止めてみましょう。

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