共通テストの平均点が高かった理由と個別学力試験の中止
大学入試共通テストが終わりました。コロナ禍の中、五十数万人が受験するこのテストが無事に実施されたので、この後の「私立中入試」「私大の一般試験」「私立高校入試」「公立高校入試」もきちんと実施される見込みが立ったのではないでしょうか。引き続き、テレビのワイドショーによる「あおり報道」に臆することなく、しっかりと感染対策をとりつつ、普通に受験対策の学習を継続していきましょう。
大学入試に関わる話題を
大学入試共通テストの平均点が昨年までの大学入試センター試験より高かったことが話題になっています。英語などは文法の出題がなくなりリーディングだけと形式が変更になりました。その他の教科も「思考力・判断力」を問う出題が増えています。それでも平均点が高くなったのはどうしてでしょうか。どうも、AOや公募などで合格した生徒が受験しなかったためのようです。
大学入試共通テストの出願は9月です。今年はコロナ禍の所為もあり、指定校推薦などの学校推薦型の入試の出願や試験、発表が遅かったこともあって「とりあえず出願しておこう」という生徒も大勢いました。そうした生徒たちが12月までに志望校への合格を決め、いつもの年なら「受検料も払ったのだしせっかくだから受けるだけ受けとこう」となるところを、緊急事態宣言も出ている中で受験をしなかったのです。それが平均点を押し上げた理由のようです。
もうひとつ
宇都宮大学が今日になって「2次の個別学力検査の中止」を発表しました。 https://news.yahoo.co.jp/articles/37dac03c02016d0a9278e98f1fd91fc7d53c7d58
国公立大は「大学入試共通テスト」と「2次の個別学力検査」で合否を決めていくシステムです。それがコロナ禍の中、2次の学力検査をせずに「共通テストの得点のみで合否を決める」というのです。すでに横浜国大は昨年の夏にそうした入試に変えるとアナウンスしていました。それはそれで受験生も「しかたがない」となるのでしょうが、ここにきての宇都宮大の入試要項の変更はどうなのでしょう。受験生への裏切り行為とならないでしょうか。
この後、宇都宮大のような処置をとる大学は出てきそうです。すでに信州大もそうしたアナウンスをしています。五十数万人が受験する共通テストを実施できたのに、せいぜい数百人単位の個別学力試験を実施できない理由を大学側はしっかりと説明すべきでしょう。2月の私立大学の入試も同じようなことが起こっています。たとえば青山学院大などは「共通テストの得点を流用して当日の学力検査は1教科や小論文」といった入試になります。うちの生徒の中にも、共通テストの得点から合格に届きそうもないので受験をやめよう、となった生徒もいます。
コロナ禍の中、子どもたちももがいています。そんな子どもたちにできるだけ寄りそいつつ、あと残りわずかの受験までの日々をすすんでいきます。