首都圏の私立大学の一般試験についての基礎知識
今週から来週にかけては、私大の一般入試がピークになります。さて、そんな私大の入試の基礎知識です。最近の私大の一般試験には、センター利用試験、全学部統一試験、学部個別試験と同じ大学の同一の学部に3つの形態の試験をおこなう大学が多いです。
センター利用試験・・・大学入試センター試練の結果を利用して合否が決まる
学部統一試験・・・ひとつの大学の複数の学部、学科に志願でき、全受験生を一堂に集めて試験をする
学部個別試験・・・学部ごとに試験をおこなう昔ながらの形式
さて、この3つの難易度は違うと思いますか? かわらないと思いますか?
その答えを考えるには、それぞれの試験に何人の募集定員をもうけているか、ということを知る必要があります。たとえば、青山学院の法学部の場合、全体の定員が500人です。それぞれの試験の定員は以下のようになっています。
センター利用試験 20名
全学部統一試験 50名
学部個別試験 200名
すべて足しても270名にしかならないので、あとはどうなっているの? ということですが、どこの大学も「付属校から上がってくる生徒」の数を増やしています。また、指定校推薦やAO入試などでとる人数も増やしています。青山学院の場合はそうした人数が定員の半分弱で、一般入試でとる人数が半分強ということです。ほぼ平均的な首都圏の私大の姿です。
話しを戻すと、センター利用の志願者は1200人〜1300人です、学部統一試験の志願者も1000人をこえます。その割には割り当てられた募集人数が少ない厳しい試験ですよね。学部個別は青山学院の法学部の場合は日程がふたつあって、あわせて5000人ほどが志願をしてきます。でも、募集人数は圧倒的に多いです。センター利用や学部統一試験よりは学部個別試験の方が難易度は下がることはだれでもわかることでしょう。
話をまとめると、この3つの入試の難易度は難しい方から センター利用試験 > 学部統一試験 > 学部個別試験 となります。試験の順番もほぼこの並び方なので、受験生はあきらめずに最後の「学部個別試験」にチャレンジをしていくべきなのです。
と同時に、何度か書いていますが、都内の各私大は定員の1.1倍をこえると補助金をカットされるという国の政策により、入試での合格者数をしぼっています。そのためにここ数年で都内の私立大学の難易度は圧倒的に上がりました。今年もその流れは止まっていません。受験生にはおっきな逆風が吹いています。
とにかく、今週と来週、そして、難関題はそのつぎの週と、私大の入試は続きます。とにかく、積み上げてきたものをしっかりと出すこと。それだけを心に刻んで試験にのぞみましょう。あとすこし。