2020年度大学入試「変更点」を中心とした情報
大学入試は毎年のように「変更」をしながらおこなわれています。もちろん受験生にとっては「自分に必要な情報」だけを手に入れれば良いのですが、入試難易度の変更を含めて少しはマクロ的な視点で自分の大学入試を捉えてみることは必要です。今日はそんなマクロ的な視点からの「2020年度大学入試の変更点情報」をまとめてみます。
専門職大学の新設
19年度にスタートした専門職大額ですが、初年度の新設は短大など3校にとどまりました。専門職大学は卒業に必要な単位のうち1/3以上を実習・実技の授業としています。そうした豊富な実習・実技を通して卒業後に役立つ高度な実践力を身につけるのが目的です。
そんな専門職大学に来年度新設予定なのが以下の学校です。
- 東都学院大学 保健医療学部 定員80名 東京都
- 湘南鎌倉医療大学 看護学部 定員100名 神奈川県
- 名古屋柳城女子大学 こども学部 定員70名 愛知県
- 高知学園大学 健康科学部 定員130名 高知県
学部増設 国際学部
学部増設といえば「看護学部」というぐらいに看護学部の増設が続いています。さすがにここにきて下火になってきましたが、新たな学部増設のトレンドは「国際学部」になりそうです。以下が私立大学の「国際学部」の新増設です。
- 和洋女子大学 国際学部
- 麗澤大学 国際学部
- 専修大学 国際コミュニュケーション学部
- 神奈川大学 国際日本学部
- 中京大学 国際学部
- 甲南女子大学 国際学部
- 西南学院大学 外国語学部
中でもユニークなのが神奈川大学です。ひとつのグローバルな基準で日本を見るのではなく、多様な文化や価値観を理解し、足もとにある「roots/根っこ」と広い世界に羽ばたく「wings/翼」をともに学ぼうというコンセプトとのことです。国際文化交流学科、日本文化学科、歴史民俗学科の3科構成とのこと。
学部増設 理工学部
国際学部とともにトレンドになりそうなのが、理系のAI(人工知能)やロボット、IoT(もののインターネット)に対応する工学系の学部の増設、改組です。
- 東北工業大学 建築学科
- 東京都市大学 理工学部
- 明星大学 建築学部
- 京都先端科学大学 工学部
- 龍谷大学 先端理工学部
- 大和大学 理工学部
学部増設 その他
看護系の新・増設は一段落しましたが、それでも「日本赤十字看護大学/さいたま看護学部」「第一薬科大学/看護学部」などの新設があります。また、健康意識の高まりから、スポーツ系の学部の新設もあります。「駿河大学/スポーツ科学部」「尚美学園大学/スポーツマネージメント学部」。この他に大きいところでは「成蹊大学/経営学部」の増設などがあります。
キャンパス移転
首都圏では以下のようなキャンパスの移転があります。
- 専修大学 商学部 →神田キャンパスへ
- 武蔵野大学 看護学部 →有明キャンパスへ
- 桜美林大学 芸術文化学群 →東京ひなたやまキャンパスへ
- 桜美林大学 ビジネスマネジメント学群 →新宿キャンパスへ
最後に
来春入試は現行での大学入試制度の最後の年ということで、多くの受験生が「超安全志向」となることは間違いないでしょう。さらにここ数年の「首都圏私大の定員厳格化」の影響による中堅、上位私大の難化にも歯止めはかかりません。といって、本来の自分の志望をあきらめたり、下げたりするのも本末転倒です。正しい情報を手に入れ、しっかりとした戦略をたてて大学入試にのぞみたいです。