どうして真剣に受験と向き合ってくれないんだろう、と思っているお母さまへ
模試の結果などの報告の返信で何人かのお母さんから同じようなメッセージをいただきました。
家での様子は必死になっているようにはとても思えません。
現実逃避をしてスマホにばかり向かっています。
がむしゃらにやろうという姿はみかけられません。
本当に400点をとろうとしているのか疑問です。
わかります。お母さんたちの気持ちは。もっともっと真剣に受験に向き合って欲しい。結果もだがここで必死になる姿を身につけて欲しい。じれったい。はがゆい・・・ 毎日そんな気持ちでわが子に接しているのだと思います。
親というのはわが子に期待をします。いや、そんなことはないですよ、とおっしゃるかも知れませんが、それはご本人が気づかれていないだけです。やっぱり期待をしてしまいます。その分冷静になれない部分がでできます。良いんです。当たり前です。わが子は何にもまして愛しいものです。愛しいからこそ期待する。当たり前です。
塾でひとつのことを子どもたちに徹底させるのに同じことを何十回も言い続けます。例えば「問題が配られたらざっとどんな出題なのか目を通してからはじめるように」みたいな簡単なことでも何十回も指導してはじめて徹底できます。それほどに15歳の子どもたちにしみついたものは簡単に変えられないんです。
「がむしゃら」になった経験がなく15年間過ごしてきた子がいきなり「がむしゃら」になれ、と言われてもどうしようもないんです。彼ら、彼女らは、いまはじめて「がむしゃら」という言葉を知り、どうすればいいんだととまどいの中にいるんです。「がむしゃら」を我がこととして引き受けるまで今少し時間がかかるのです。
さらに、今の時代は「がむしゃら」という語を嫌います。子どもたちが過ごしてきた学校も「その子なり」に学習し、学校生活を送ることがふつうになっています。ひとりだけ遮二無二何かに取り組むことなんかなかったはずです。そんな時代の空気の中で子どもたちは過ごしてきてますし、中3のこの時期になっても学校にはそうした雰囲気が充満しているはずです。
もちろんもっと早くから取り組んでおけば、ということも言えるでしょう。でも、いまの高校の入試制度では、11月半ばまでは学校の勉強から離れて入試対策に邁進することはできません。やはり11月の半ばからしか受験態勢には入れないのです。あそこから2ヶ月。そう考えると子どもたちは成長していませんか?
確かに受験は数字です。お金をいただいて受験指導をしているわたしが言うのは申し訳ないのですが、このあと、志望校にはどうしても届かなくて志願変更をさぜる得ない場面も来るかも知れません。そうならないようにわたしもできるだけのことはします。子どもたちにも「がむしゃら」という言葉の意味を教え続けます。
あと5週間。子どもたちが「かわる」ためにわたしは「がむしゃら」に働きかけていきます。