来春入試での「歴史総合」について
来週入試では社会科も新課程入試になります。歴史については以下の3パターンがありえます。
Aパターン 日本史探究(or世界史探求)のみ
Bパターン 日本史探究+歴史総合(or世界史探求+歴史総合)
Cパターン 日本史探究+日本史範囲のみの歴史総合(or世界史探求+世界史範囲のみの歴史総合)
共通テストは全6題のうち1問を歴史総合から出題するというBパターンです。
その他、今のところわかっている私大の対応です。
Aパターン・・・青山学院大学/亜細亜大学/早稲田大学/慶應義塾大学(商学部)/中央大学(法学部/同志社大学/京都産業大学/立命館大学/近畿大学/甲南大学/神戸学院大学/西南学院大学/摂南大学名城大学/阪南大学/福岡大学/桃山学院大学/龍谷大学
Bパターン・・・立教大学/学習院大学/慶應義塾大学(文学部・経済学部・法学部/國學院大学/上智大学/専修大学/日本大学/法政大学/明治大学/東洋大学/関西学院大学/南山大学
Cパターン・・・駒澤大学/愛知大学/愛知学院大学/関西大学
これらの大学の中には、いちど発表してから変更をしてくるところもいくつもあり、この後も変わってくる可能性はあります。最新の情報は各大学のホームページなどで自分で確認してください。
さて、歴史総合が加わることで出題に変化があるのかということですが、わたしは「ある」と思っています。わざわざ「歴史総合の範囲からも出題する」といっているのですから、出さないと「えっ、出すって言ったのに」となりかねないからです。
ですから、歴史総合が出題範囲に入る大学を受験するのであれば、しっかりと歴史総合という教科の対策をするべきです。歴史総合っていっても、近現代史の部分がちょっと出るだけでしょといった認識で受験をするのはやめましょう。
ただ、今までの「日本史B」や「世界史B」の出題と大きく変わる可能性が高いのは「日本史探求」や「世界史探求」の方です。「B」から「探求」への変化は、言葉だけではありません。たとえば「世界史B」と「世界史探求」を比較すると「諸地域の歴史的特質への問い」「諸地域の交流・再編への問い」「諸地域の結合・変容への問い」といった項目が追加されています。「問い」というのは、資料を活用したり、写真などから情報を読み取ったり、それらの資料を比較したりして歴史を探究していくことです。
まとめると「探求」では、今まで以上に「思考力、判断力、表現力」を問う出題が増えるはずです。
逆に「歴史総合」が目的としているところは「近代化」「グローバル化」「国際秩序の変化や大衆化」といったテーマに沿って、19世紀からの日本と世界の歴史的概要を学ぶというものです。とくに今までの「世界史A」や「日本史A」とは違い、文化史・思想史など人間の内面的な歴史にもスポットを当てていくものです。ということから、歴史総合が出題してくる傾向も読みとれるはずです。
結論です。
第1志望の大学がどのパターンなのかによって「歴史総合」の学習のしかたは変わってきます。できれば、第1志望のパターンに第2志望以下はあわせたいです。逆に第1志望がAパターンで第2志望がBパターンなら、今は歴史総合は無視して探求の学習を優先させましょう。
来春入試は新課程の初年度です。様々に手探りになります。こうした時はシンプルに学習をしていくことです。ああでもない、こうでもないとこねってよいことはありません。