小学生の算数

学力の格差、ということが良く言われる。たとえば、小学生の算数を考えてみよう。小6は分数の計算を学習している。多くのお父さん、お母さんが知らないことだが、「帯分数と真分数の和と差、仮分数と真分数の和と差、分数と小数の和と差、3つの分数の和と差」などというものは学校では学習しない。いわゆる「ゆとり教育」で削除された分野だ。つまり、学校で算数を学習しているだけだと左のような計算は学ばないまま中学生になるのだ。

正直、こうした計算を小6生に学ばせることがそれほどたいへんなことなのだろうか、と私は考え込んでしまう。義務教育なので、理解出来る子だけには教える、といったことが出来ないことはわかる。が、全ての子供に理解させることを前提に教える内容を易しくしていった良いのだろうか。結局、多くの子供たちは塾でこうした内容の学習をしてしまう。中学の先生も、「小数と分数の足し算、引き算」を数学の授業の中で一から教えることもしない。それが実際だ。

先日、新聞の社説に「都道府県名は小学校で教えられているはず・・・」なる記事を読んだ。世間一般の大人たちの認識はそんな程度だ。実際は、今の小学校では都道府県名は教わらない。それどころか、中学の地理の授業でも、やったりやらなかったり。中学の教科書で扱われるのは、「山形県と東京都と福岡県の中からふたつ」などといった学習内容だ。昔のように九州・沖縄から北海道までなんて学習はとっくになくなっている。中学の英語の授業では文法は教えない。あくまで「慣れ」を優先にする。高校の英語のリーダーの教科書でさえ、文法事項はあえてばらばらに配置されている。いろんなことが変わっているのだ。

まずは、そんな今の教育の状況をお父さん、お母さん方に知ってほしいと思う。「小数と分数の足し算、引き算」を学ばないで中学生になっていく、といううことを。

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