『さあ、競争だ』
入塾の面談時に「勉強のようすはどんな感じですか?」と聞くと、「学校の勉強は出来ているようなんですが」と答えるご父母が多い。前の記事ではないが、今の学校の勉強は出来て当たり前で、そのレベルが出来ないようであればそれこそ大変なことになってしまう。とにかく「小数+分数」の計算をやらない、「小数第2位以下の計算をやらない」レベルの学習でしかないのだから(>_<)
おまけに絶対評価は、本当の子供の実力を覆い隠す「隠れ蓑」になってしまっている。とにかく客観的なデータは提示しない、というのが今の学校のスタイルだ。それは小学校だけではなく、中学も同じだ。今の中学校のオール5というのは、昔のオール5とは価値がまったく違う。学校によっては、全校生徒の半分が評定5をもらえるなかでのオール5なのだから。
私は、こうした状況を否定しているのではない。絶対評価はそれで良いだろう。ある基準をもうけ、それをクリアすれば5をつける、という考え方を否定はしない。問題は、その5と相対評価での5を混同しているご父母の側の感覚の「ずれ」にある。
この感覚の「ずれ」は就職時まで続いていく。エントリーシートを出しても、出しても戻ってくるだけ。自分、というものの相対的な評価にはじめて気づかされる。振り返ると、自分は何が出来るのか、何がアピールできるのか、まったくわからない。そんな現実をつきつけられる。
四谷大塚の「小学学力テスト」のポスターに『さあ、競争だ』といった言葉が書かれている。ある意味で今の公教育へのアンチテーゼだ。この言葉が気に入っている。
『さあ、競争だ』