「公立中・高一貫校」について

今朝の朝日新聞をご覧になった方は読まれたことと思いますが、文科省が「公立中・高一貫校」のあり方に不満を持っているようだ。詳しい記事はここをクリックしてください。(PCのみ)

そもそも「公立中・高一貫校」は、「ゆとりをもって6年間で学ばせる」ことを主眼として設置されたもので、「偏差値による学校間格差を助長させない」と国会の付帯決議までつけられて法改正された経緯がある。が、いっぽうでは、「安い学費で大学進学を目指す私立の中・高一貫校の代わり」をのぞむ保護者の強い、強い声があり、その声に押されるように、「公立中・高一貫校」は見事に私立中学受験の渦の中に巻き込まれてしまったいる。

今春神奈川県に開校した「相模原中等教育学校」は16倍以上の倍率になっている。法で入試をしてはいけない、ということになっている「公立中・高一貫校」なので、「適性検査」をおこなっている。が、この「適性検査」は、私立の入試問題などよりもずっとやっかいなもので、「普通の小学校の学習をしていれば問題なく解ける」という県教委の説明が「あきらかなうそ」であることは明白なモノになっている。

今回の記事では、文科省は『▽地域の「トップ校」の高校には中学を設けない▽面接、作文、推薦などを適切に組み合わせる▽志願者が3倍程度を超えたら、選抜の過程で必ず抽選を採り入れる』といった方法を提案しているようだ。いずれにしても、上からの圧力で、今後はさらに県教委の「公立中・高一貫校」に対する腰が引けそうな気配だ。

「公立中・高一貫校」については、今後どういった方向に進んでいくのかわからない。公(国や地方自治体)がおこなうこうしたことにたいしては、常に懐疑的な目で見ていくべきだ。だから、大切な子供を「6年間」という長いスパンであずけるについては、一度じっくりと考えた方がよい。というのが私の考え方だ。

少なくとも、「相模原中等教育学校」が私立の中・高一貫校のように「大学進学実績」にこだわった学習をさせていくか、というと、その可能性は低いと考えておいた方が良いと思います。

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