体験格差が生む年収格差
経済格差が学力格差を生むことは、多くの教育社会学者の研究で明らかになった。親の年収で、子供の学力に「差」が生まれている。同時に経済格差が体験の「差」も生んでいる。・・・この体験の差が学力格差を生んでいる。図式的に示せば、「家庭の経済格差」→「子供の体験格差」→「子供の学力格差」という筋道が描ける。
このような問題意識から、研究会は子供の頃の体験が、その後の人生にどのような影響を与えるかという問題設定で、昨年11月に20歳以上の大人約5千人を対象に全国調査をおこなった。調査では、子供の頃の体験量が豊かな人ほど、「もっと深く学んでみたい」といった物事に対する意欲・関心や、社会に対する規範意識、勤労観・職業間が高いという結果が得られた。・・・
さらに注目すべき傾向が出た。自然体験や友達との遊びなど、子供時代に豊かな体験をした人ほど、高学歴を取得し、高収入を得ているのである。
それでは、どんな体験を、どの時期にすればよいのか。まず、小学低学年の体験では、「友達との関わり」と「動植物との関わり」が大事だ。一方、小学校高学年と中学校の時期は、小学校低学年と異なり、「地域活動」や「自然体験」「家族行事」「家事手伝い」などの活動がより大事になる。子供の成長に合わせた適切な活動を体験させることが重要なのである。
詳細なデータは「独立行政法人国立青少年教育振興機構」のホームページに掲載されています。
今の時代は、親が意識して子供に与えていかないと、子供は様々な体験をしないままに大人になっていきます。ゲーム機、パソコン、携帯、などなど、子供の体験をはばむ仕組みはたくさんあります。しかも、それらはあまりに魅力的です。
体験とは、自分の手で触れ、目で見て、においをかぎ、考えて行動することです。そうした体験が豊富な子供ほど、いろいろなことに対して意欲的に取り組めるのは当然でしょう。
テレビまでが3Dになってしまう時代です。でも、そこで見られる世界はすべてバーチャルなモノです。手で触れることはできません。大人も子供も、非現実なモノに取り囲まれてしまっていることを自覚すべきです。
テレビのスイッチを切って、子供と外に出かけましょう