絶対評価を高校入試の資料としてつかうのはムリなのでは
さて、中3生の成績が出ました。いわゆる中間成績というものですが、これが私立高校の打診の基準や公立高校の学校成績として使われます。ただ、何度も書いていることですが、今の中学校の成績のつきかたは疑問だらけです。制度としての欠陥をかかえたまま、生徒たちの進学の資料になっていることが納得できません。
どういうことか。
下のグラフを見て下さい。今回の△△中学の英語の得点分布です。いわゆる「右肩上がりのグラフ」になっています。つまり、定期試験の難易度がとてつもなく易しい、ということなのです。今の中学の評価は絶対評価です。学んだことがしっかりと身についているか、ということを観点ごとに確認して評価するわけです。したがって、問題は難易度ではなく、教える側が設定した観点を確認する問題になるわけです。
お父さん、お母さんが中学生だった時は相対評価でした。中央値を試験を受ける集団の真ん中に持ってくるように試験問題が作成されました。つまり、真ん中に最も多くの生徒がいて、高くなるにつれ、また低くなるにつれて生徒が少なくなっていくというグラフになりました。これであれば、5が7%、4が15%などと輪切ることに意味が出てきます。
今の絶対評価の試験であれば、90点代は全員が5、80点代は全員が4といった評価の付け方をすべきなのです。それなのに、高校入試の資料になるからという理由から、5の評定のパーセント、4の評定のパーセントが県教委から指示されていて、中学校の先生はそれをもとに評価をつけています。
おわかりでしょうか。絶対評価なのに相対評価のように評定がつけられる。結果、ちょっとしたミスをした生徒とそうでない生徒の評定が分かれてしまう。実力ではない部分で評価が分かれている部分がとても大きくなっているのです。90点代が100人もいるテストです。この中の生徒が4と5に分かれてしまうのです。ちょっとしたミスをしたかだけが「差」の部分なのです。
これも何度も言っていますが、私は絶対評価が悪いとは全く考えていません。とても良い評価法だと思います。ただ、その評価を高校入試に資料として使うからムリが出てくるのです。本当におかしいと思います。