私大の入試問題現代文
受験学年の土曜日の授業に追われ、さらに、今日は数学検定試験も実施。明日は漢字検定試験です。中3生にとっては、こうした検定試験の結果が、私立高校の打診基準に自分の学校成績が届かなかったときのプラスαになるわけですから真剣です。
今日の高3の国語であつかった明治大学の経営学部の現代文の文章がよかったです。河野哲也「道徳を問い直す リベラリズムと教育のゆくえ」の「第4章 道徳には哲学が効く」からの出題です。
道徳性とは、単に方を当てはめ判決を示す裁判のような行為ではなく、個別的な人間関係の持続性のある発展と修復に関わっている。そうであるならば、道徳性とは、医学や経営学や生態学、とりわけ、教育に近い分野なのである。道徳性とは、相手理ニーズに対して共感的にケアする態度をとり、必要であるならば、そのために社会制度の改革に着手する過程の中に表現される。・・・道徳教育が哲学都市宇科目でなされなければならないのたろうか。それは、道徳性の教育に必要な二つのこと、すなわち、批判的思考力と生活統合を養うことができるからである。哲学とは、自分の生の基盤を問い、よりよき生を求める態度である。ここでの「生の基盤」とは、自分の行動や思考が基づいているところの常識、認識的パラダイム、思考パターン、社会制度、文化的規範を指している。
この部分を読んだだけでも、なるほどなぁ、と納得することばかりです。
生活統合。人生の断片的な出来事を、より広い文脈の中で意味づけること。そうすることで、私たちは、自分のニーズとともに、他者のニーズも理解できるようになるのです。それこそが道徳性だと筆者は言っています。
あたりまえですが、GMARCHあたりの私大の入試問題は読み応えがあります。今日の明治大の問題は、設問そのものも難しく、miyajuku高3生たちも手こずっていたようでした。