思考過程
中学受験クラスの5年生には5人の生徒がいる。2人はすでにしっかりと線分図や面積図を描いて問題を解いていけるレベルに達している。あとは単元が進むにつれて新しい解き方をどんどんマスターしていけば良い状態にある。
残った3人がなかなか自分で線分図や面積図を描いて問題を解くレベルに達してくれなかった。
そうした生徒の指導は、とにかく地道に、時間をかけて、丁寧に進めていくしかない。時には何ヶ月もかかることになる。何よりもそうした生徒は、自ら問題に対していく気持ちに欠けている。その気持ちを喚起させるのは、生徒の心の成長にも寄りそっていく必要さえある。
冬の講習になって、やっと光が見えてきた。まだまだ正解にいたるまではムリだが、それなりの線分図を描き始めている。いいですねぇ。これも講習の効果です。毎日のように塾に来させることが出来るので、前日にやったことが消えないうちにもう一度教えていくことが出来るからだ。
算数の問題を解いていくということは、思考過程を記していくということと同義だ。そのための線分図であり、面積図であるわけだ。方程式で解いてしまえば簡単じゃない、といった意見もあるしょう。それでも、私立中学受験の算数が、算数での解き方にこだわるのは、思考過程そのものを大切にしたいからなのだ。
就職試験に算数の出題がたくさんある。差集め算や流水算やつるかめ算などがたくさん出題される。これも、しっかりとした思考過程を構築できているかを試されているわけだ。ショートカットの解き方でなく、遠回りでも「考える」ことを大切にした算数は、こどもたちの知力を鍛えるのには良い教科なのだ。
こうした線分図が描けるようになってくると、国語の読解も、社会も、理科もどんどん伸びていく。学力は根っこのところではつながっているのだ。ここからも急がずに指導を継続していきます。