つらい1日

今年は全員合格というわけにはいきませんでした。受験です。合格するものもあれば、不合格のものもいることはわかっています。わかっていますが、現実にそうした結果をつきつけられると戸惑いの方が大きいのが実際です。30年近くこどもたちの受験にたずさわり、年を積み重ねてきてもなおかつ、ざわつく感情をおさえることは不可能です。

Y君は、今年のmiyajukuの中3生の中では、間違いなく最も勉強をした生徒です。それはだれもが認めることでしょう。昼食の休憩時でさえも、出来なかった帳を離さずに見ていました。最も努力をし、最も真剣に取り組み、最も頑張った生徒です。でも、そのY君のもとに合格の知らせは届きませんでした。努力は人を裏切ることもある、いや、裏切ることの方が多い。わかっています。でも、どうしても納得できません。

Y君は最後まで湘南高校を受験するか、厚木高校を受験するか迷いました。この2校には差がないようでいてやはり「大きな差」があります。Y君も厚木高校であればほぼ間違いなく合格出来ました。それでも、リスクをしょってでも、行きたかった湘南高校に挑戦をしたのです。後悔をしたくない、という彼の言がありました。私も背中を押しました。お母さんも、お父さんも、お姉ちゃんも、精一杯の後押しをしました。もちろん本人もこれ以上ないほどの努力を積み上げました。

私も悩みました。落としたくない、という気持ちと、本人やお母さんの「やはり湘南に」という気持ちのどちらを優先すべきか。しかも、私は、湘南高校が人生を変えるチカラをもっていることをよく知っています。Y君にもそんな空気を吸って欲しかった。そんな気持ちがまさりました。客観的に見ても、内申点、模試の成績、特色の出来具合、どれも合格出来る数字でした。

それなのに・・・

もちろん彼には後悔をして欲しくありません。でも、ここから立ち直るには時間が必要でしょう。その中で決して自分を責めないで欲しいです。責めるべきでもありません。また、今回の受験についての分析も必要ありません。最善をつくしたことは間違いないのですから。ちょっと歯車が狂っただけのことです。

立ち直った彼にはかけてあげたい言葉がたくさんあります。それはまたその時のことです。とにかく泣けるだけ泣くことです。それ以外に今はすることはありません。卒塾してからもあと3年間は、私は彼を見まもります。サポートします。それだけは約束します。今、私が彼にかけられる言葉はそれしかありません。

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