桐蔭学園中学・高等学校
まずは中学受験の難易度です。首都圏模試の80パーセント合格ラインは、男子中等教育がSS55-60、男子普通がSS54、女子理数がSS54-60、女子普通がSS49というものです。それなりに高いですが、一時期に比べると入りやすくなっています。といっても、中等教育と理数は4倍近い倍率が出ているのですからかなりの難易度です。
高校受験もかなりの人数を募集します。併願の基準は、理数コースで24/25、普通コースで23/25ですから、県立高校のトップ校の併願校になります。学校成績が関係ないオープン入試も実施されますが、問題の難易度は中学校での学習では全く歯がたちません。
とにかく大規模校です。男子だけとっても、中学中等教育4クラス、普通クラスが7クラス。これに高校から入学する生徒が8クラス加わって、高校は理数が6クラス、普通が10クラスの編成です。男子だけで高校生は20クラスもあります。この大人数を能力別のクラス編成で競わせる、というのが桐蔭学園の学習の特長です。
今年の春の大学入試の結果です。東大/18名、東京工業/16名、一橋/12名、横浜国大/36名、横浜市大/20名、国公立医大/33名、国公立大合計/155名。早稲田・慶応/328名、上智・理科大/252名、MARCH/789名、私立医学部/119名。卒業生数は1,100人前後。一時期は神奈川御三家のひとつとして100名以上の東大合格者を出していたのですから見劣りはしますが、それでもかなりの実績を出していることに違いはありません。
言い方は悪いですが、入学者のレベルがかなり下がっているはずなのに、これだけの大学合格実績をだしている、ということは、それだけ学校での指導が良いということでしょう。部活動も野球部、サッカー部など全国区の活躍をしているところも多いです。しかし、こうした大規模校の部活動は、公立校のそれとは全く違うことも知っておかねばなりません。学校行事などに頑張る、というのではなく、予備校のように勉強に励む、といったイメージの学校ととらえた方が良いかもしれません。
学校設備は唖然とさせられるほどすごいです。何しろ幼稚園から大学まですべてそろっているのです。迷子になるほど敷地も広大です。鵜川記念ホールという大きなホールでは、歌舞伎や四季のミュージカルなどもやっていて、生徒たちが「ホンモノにふれる」ことができるようです。こうしたことが出来るのも大規模校ならでは、ともいえると思います。
ある意味で「納得づく」で進学するのならば良いかもしれません。勉強をするための環境と仕組みはバッチリそろっている学校です。