コロナ後について 受験編 大学入試 その1 総合型選抜(旧AO入試)
高校入試の「その2」の記事を書こうと思っていたのですが、今朝の朝日新聞の朝刊が ↓ のような内容だったので大学入試についての記事を先に書きます。高校入試「その2」は明日にでも書く予定です。
朝日新聞の記事
まずは朝日の記事をお読みください。「あれっ⁉︎」と思われた方が多いことでしょう。来年度の大学入試は「改革元年」となっていて様々な変更が予定されているのです。記事の中にも「総合選抜型入試(旧AO入試)」とか「学校推薦型選抜(旧推薦入試)」などという言葉があります。昨年までの「AO入試」や「推薦入試」は廃止されたんですね。これをご存じない方がたくさんいらっしゃることでしょう。
新しい大学入試を理解するための4つの言葉
新しい大学入試を理解するためにはまず4つの言葉を覚えてください。
- AO入試→総合型選抜
- 推薦入試→学校推薦型選抜
- 一般入試→一般選抜
- 大学入試センター試験→大学入学共通テスト
すべてをここで説明するのは不可能なので、今日は記事の中にもある「総合選抜型入試(旧AO入試)」についてお話ししておきます。
AO入試ってどんなだったの
もともとAO入試というのは、面接やグループディスカッション、小論文などで選考をする方法でした。選考の流れはこんな感じでした。
志望理由書(エントリーシート)の提出
↓
大学の担当官による面接
↓
合格
AO入試は大学側が求めている人物像に受験者があっているかが大きなポイントです。明確な目標を持って「この大学でこんなことをやりたい」といったことに明瞭に答えられることが求められます。また、AO入試では一芸に秀でている人物が合格しやすいという傾向もあり、高校時代に部活動で全国大会に出たとか、英検1級を持っているなどがアピールできます。
そもそもAO入試は「学力だけではわからない生徒のポテンシャル」を求めている入試制度でした。そんなAO入試ですが「総合型選抜」にかわってなにが変わるのかです。実は、AO入試は、多くの大学で「生徒数の囲い込み」に利用されていました。「書類選考のみ」「面接のみ」「学力は問わず」といった大学が増えてしまっていたのです。しかも、AO入試夏休み頃からスタートするので、大学側は早期に生徒をAO入試で囲い込んでいったのです。
総合型選抜への移行
文科省はそんなAO入試に「知能、技能を問う試験を課すこと」を義務づけました。それが「総合型選抜」なのです。新しい「総合型選抜」では以下の活用が必須となっています。
次のいずれかの方法を活用する
- 小論文
- プレゼンテーション
- 口頭試問
- 実技
- 科目試験
- 資格・検定試験
- 大学入試共通テスト
日程の変更
同時に早期の囲い込みを防ぐ意味で入試日程にも変更が加えられました。
出願 8月以降 → 9月以降
合格発表 10月より前 → 11月以降
さて、こうした中でコロナ禍が起こり記事の「総合型選抜(旧AO入試)」の出願開始を、9月1日から少なくとも2週間後ろ倒しとする方針を固めた」という記事になるのです。
同時にAO入試では出願書類に大会の実績などを書く必要があるのに、その大会そのものがすべて中止になってしまいどう評価をすべきかを検討している、ということになるのです。
いずれにしても文科省が「総合型選抜」「学校推薦選抜」「一般選抜」の日程と内容をどうするか。早急にアナウンスしないと高3受験生と浪人生の不安は解消しません。昨日の報道にもあったように「今年度に限り入試日程を後ろに2週間〜1ヶ月後ろ倒しにする」というのであれば「大学入試共通テスト」が2月半ばということになります。ここが定まらないと他のすべての日程も決まりません。
いずれにしても、受験生は「まわりの様々な情報に一喜一憂せず、自らのペースを守って学習を進めていくこと」です。