来春の県高校入試で削減される範囲が発表されました
昨日、神奈川県教委から「令和3年度神奈川県公立高等学校入学者選抜等における学力検査の出題範囲等について」という記者発表がありました。
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/prs/r9906997.html
東京、大阪などが「コロナ禍にともなう学校休校で遅れた学習範囲を入試の出題からのぞく」ということで、かなりの単元をごっそりと削除しました。たとえば、数学の三平方の定理や英語の関係代名詞などです。神奈川県もかなりの削減があるのでは、と思われていたのですがはたしてどうだったのでしょうか。
出題範囲からのぞかれる内容は以下の通りです。
社会 公民的分野で学習する内容のうち、「私たちと国際社会の諸課題」
数学 中学校第3学年で学習する内容のうち、「資料の活用(標本調査)」
理科 第1分野で学習する内容のうち、「科学技術と人間」 第2分野で学習する内容のうち、「自然と人間」
国語 漢字を問う問題において、中学校第3学年で新たに学習する漢字
英語 英単語を問う問題において、中学校第3学年で新たに学習する英単語
結論からいうというと
今春までの入試とほぼかわらない入試になる
といえます。
それぞれの教科について見ていきましょう。
社会 → 国家について、国際連合やEUなど、南北格差などといった「国際社会の仕組み」。地球環境問題、貧困問題など「さまざまな国際社会の問題」について学ぶ単元
理科 → 食物連鎖や炭素の循環、地球温暖化や大気汚染など「自然界のつながり」「人間と環境」についてについて学ぶ単元
数学 → 「標本調査」の単元 今まで出題をみたことはほとんどありません。
英語 → 問2の英単語の出題に中3で学ぶものは出題しません、ということです。その他の問いに出題される場合は「注」をつけるということです。
国語 → 問1の漢字の読み書きに中3で学ぶものは出題しません、ということです。
理科と社会については過去にそれなりに出題があったこともあります。とはいっても、東京や大阪のように数学や英語で大きな単元や文法事項が削除されたわけではありません。ということで、来春の入試は今春までの入試とほとんどかわらない入試になるといえるのです。
なお、進学重点校やエントリー校で実施される「特色検査」も上記の範囲は除外されるとのこと。ただ、こちらは「知識」を問うというよりも「思考力、判断力」を問う問題なので、そもそも出題範囲はないといっても良いです。したがって、今回の範囲の削減の影響はまったくないと言って良いでしょう。
いずれにしてもこれで例年と変わらない入試になるという入試の全貌がはっきりしました。あとはやるだけです。なお、9日に来春入試の要項、つまり各校ごとの「入試:内申:面接:特色検査」の比率などが発表されます。ただ、非常時ですので、今春入試と大きく変えてくる学校はないとわたしは思っています。いずれにしても注目しましょう。