受験を通じて
今日の午前中は小6受験生のお母様方との個別面談を実施する。いよいよ120日となってきて、最終コーナーに入る直前だ。といっても、子供たちの意識はまだまだこれからだ。
大人の常識は子供の常識ではない。どういうことかというと、大人は勝手に「ここまでくればさすがに本気になるだろう」と思っていても、それは自分の経験則からいっていることであって、子供にはそもそもそんな経験則はないのだ。試験に失敗したつらさだって、大人は経験したことがあるからわかるが、子供はこれから初めて経験することだ。試験時の緊張感だって、ピンと張り詰めた空気だって、子供たちにはすべてが初体験になる。
わかっているはずだ、と大人が思っていることの万分の一も子供たちはわかっていない、と考えておいた方がよいだろう。そうしたことを前提にして、子供たちに話をすべきだと思う。
それと、真剣に受験に向かえば向かうほど、それまで過ごしてきた毎日が露わになってくる。「どうして何度も同じ間違えをするんでしょう」とお母様が言うが、それは「何度も間違えても、親が手を出してしまい、自分でやり直す経験」が足りなかったからだ、とも言える。厳しいようだが、毎日の生活がそのまま学習習慣につながっていく。
もっとつっこんで行くと、お父さんとお母さんの考え方の違いも浮き彫りになってくることもある。子育て論だけでなく、「えっ、この人ってこんな考え方をするんだ」といった面までもあぶり出していってしまう。
良いじゃないですか、この受験をきっかけに、親子関係や、子育てや、夫婦関係まで含めて一歩前に進めていけば。受験ってそういうもんだと私はとらえています。
家族総出で取り組むべきものなのではないでしょうか。