三角形の面積
三角形の面積の出し方は「底辺×高さ÷2」となる。学校では、どうしてこうした公式が導き出せるのかをかなり時間をかけて教える。今の指導要領は、考え方を重視するので、先生方の授業の中心もそこにおかれる。逆に、三角形の面積を出す問題のドリル演習などという時間はあまりとられない。
学校のプリントや教科書をのぞいてみてください。ほとんどの問題が「問題文の中にふたつの数字しかかかれていない」のがおわかりになるでしょう。公式の導き方は丁寧に学習するのですが、あとは「そこにかかれている数字」を「底辺×高さ÷2」に当てはめれば良い問題しかやらないのです。
つぎの問題は塾でやる問題です。生徒たちは問題の中に5つも数字が書いてあることにびっくりします。そして、思考が停止してしまいます。「どこを底辺にすれば良いのか」ということを、学校の学習の中では考えたことがないのです。「底辺をどれにすればいいか考えてごらん」というと、今度は高さがどれかわからなくなってしまいます。
さらに、つぎの問題になるともうパニックです。底辺の延長線と頂点からの垂線が交わったところが高さになる問題は、小5の生徒たちにとっては最も理解しがたい問題になります。中学生でもまだわかっていない生徒もいます。というよりも、一度もこうした問題にぶつからないで中学生になっている生徒も多いのが実際です。
学校の算数の学習での問題の多くが、問題文や図になっていても、結局は何も考えずにそこに書かれている数字をかけたり、割ったりすれば答えが出てくる問題ばかりになっています。中1生の多くも、そうした問題に慣れてしまっていて、問題文から情報を読み取ろうとする気持ちすら持っていない子供が多いです。
数字を増やしただけといえばそれだけだが、塾では学校と同じ単元を学習しながら、先に進んでの学習につながるよう、こうした問題にたくさん取り組ませています。