高校の英語の教科書

英語の教科書のことを少し書いてみたい。

中学校の英語の教科書は北海道から沖縄まで、「ニューホライズン」、「ニュークラウン」、「ニュープリンス」など6種類の中からいずれかを使っている。内容はほとんど変わらない。どの教科書を使ったとしても、学ぶ単語の数や表現に大きな違いが出ることはない。ちなみに、最近の中学生の英語の教科書は、昔のような英語読解本ではなく英会話本になっている。リスニングセクションもあり、初級英会話読本といったイメージになっている。

さて、ここで話したいのは高校の教科書のことだ。新学期になって新しい教科書を購入し、実際の授業が始まっていることだろう。miyajukuでも、新高1生の授業でそれぞれの教科書のレッスン1を学習した。実は、高校生の英語の教科書の種類は膨大な数になる。5人の高校生がいれば、5冊の教科書があるといっていいだろう。さて、その内容はどうだろうか。中学の教科書のように大差がないのか? というと大きく違っている。

たとえば、CROWNという教科書とWORLD TREKという教科書。この2冊をぱらぱらとめくってみると、本当に同じ学年の教科書なの、と誰もが疑うほど中身の「濃さ」が違っている。この2種類の教科書で1年間勉強したら、どれだけの「差」が生まれるだろうか、とつくづく思わされてしまう。単語の数も表現も、とにかく質も量も圧倒的に「違う」のだ。

CROWNと同じレベルの教科書はPOLESTARとPROVISIONあたりだろう。というよりも、この3冊以外で勉強しても、大学入試に対応できるチカラはつくはずがない、というのが高校の英語教科書の現状だ。もちろん、上位校のほとんどはこの3冊のいずれかを使っている。私立の進学校も同じだが、こちらは、この3冊の教科書でもレベルが低い、ということで、半年ほどで検定教科書の学習を終えてしまい、多くの学校では補助教材を利用しての授業になることが多い。

もうひとつの問題は、グラマーの授業が高校の英語の授業から消滅していることだ。しかも、検定教科書は文法事項をわざとばらばらにして体系化せずに載せている。これらの教科書を利用してまともに英文法の授業をおこなうことは不可能に近い。公立の上位校や私立校の場合は、桐原書店のFORESTなどの市販本を購入させて、それを利用して授業を組んでいる。

何を言いたいかというと、君が通っている高校の実力をしっかりと値踏みしよう、ということだ。まずは検定教科書は何を使っているか、ということ。POWWOWやWORLD TREKあたりを使っているとすると、学校の授業だけで大学入試に対応できるチカラをつけるのは不可能だと言うこと。さらに、しっかりとFORESTや河合塾のdepthなどを使っての文法の授業がおこなわれているかということ。このへんをチェックしよう。

高校って、中学とは違って、どこも同じ授業がおこなわれているわけではないということ。それをしっかりと自覚してこれからの学習計画を練っていく必要がある。

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