私立中入試の算数の問題
午前中の講習は私立中受験クラスの小5生と小6生。小6生の今日の算数の内容は「速さと比」。下のような問題に挑戦する。
問 A君はいつも7時45分に家を出て一定の速さで学校に向かうと、始業時刻の20分前に学校に着いている。今日は8分送れて家を出て、いつもの1.25倍の速さで学校に向かったところ、始業時刻の17分前に学校に着いた。学校の始業時刻は何時何分ですか。
この問題をmiyajukuの中学生に解かせたら誰も解けないだろう。いや、高校生もあやしい。今の中高生の頭のレベルってそんなものだ。学校の数学の成績が5段階で5だとしても、こうした算数の私立中入試の問題(といっても偏差値45レベルの問題だが)が解ける生徒はそれほど多くない。何よりも、この問題を解くのに必要な、段階を踏んで問題を整理して解いていくチカラが圧倒的に不足している生徒が多い。
そうした生徒たちが大学3年生になって就活をはじめる。就職試験の問題は、こうした私立中入試の算数問題が大量に出題される。息子が自宅からネットで就職試験を受けるのを横で見ていて(今時の就職試験は自宅のネット環境を通じておこなうことが多い)ちょっとびっくりした。これって私立中入試の算数問題ばかりじゃないかって。
どうして就職試験にこうした問題ばかりが出題されるのか、その意図はあまりよくわからない。でも、企業側としては、目の前の問題を整理整頓して、それらを分析し、段階を踏んで解決していく能力を求めているのだと思う。もっと単純に、この程度の算数の問題も解けずに就職しようなんて「不届きなヤツ」を選別しているだけかもしれない。そう考えると、こうしたチカラをつけられないまま大学3年生になっていってしまう普通の公立中学の生徒はどうすれば良いのだろうか
試しに、今日の小6生に説明したのと同じ授業を中2生や中3生にしたとしても、しっかりと理解できる生徒もそう多くないだろう。彼ら、彼女らの多くは、こうした段階を踏んで考えていく問題をやり遂げる「忍耐力」も持ち合わせていない生徒が多いからだ。「ああ、わからない」「こんなの出来なくたって問題ないよ」「こんなの習ってないもん」といった言葉が聞こえてくるのが予想される。
今の生徒たちがおかれている状況はこんな感じだ。だから、5年~7年後に就活をしたときに、はじめて自分が置かれた現実を知り、愕然とすることになってしまう。今の子供たちは「鍛えられていない」ということ。「ぬるーいお湯の中につかった状態だ」ということだ。そのことを親は知っておくべきだ。
もちろん、私は預かった生徒を徹底的に鍛えます