高校の様子を知って高校選択を
当然、どの高校でどんな授業がおこなわれていて、学校の様子がどうなのかは、それらの生徒たちを通じてよくわかる。ある意味では、miyajukuの中学生が高校選択をする上で、あの高校はこんな感じだよ、というアドバイスはとてもしやすい。学校説明会などではわからないものを私は毎日のように感じているからだ。
今日はそんな中からひとつの例をお話ししたい。
そろそろ高校では、後期の中間試験 or 2学期の期末試験がはじまろうとしている。そんな定期試験の英語の出題範囲についてだ。高1生だけを例にする。高校生の英語の教科書は様々だ。中学校のように市町村ごとに同じ教科書で、その教科書も3、4種類しかない、ということはない。10校の高校があったら10校とも教科書が違うと思って間違いない。
もちろんその教科書のレベルも様々だ。難しいものから易しいモノまでいろいろある。ついでに付け加えると、そうした文科省の検定教科書の最も難しいものでも、私立の進学校ではほとんど使わずに他のもっと難易度の高いテキストを使う。自前でつくったり、市販のものを利用したりしている。高校の学習状況の「差」は学校ごとにものすごいということだ。
川和高校は Unicorn というそれなりにレベルの高い教科書を使っていて今回の試験範囲もLesson7あたりまで進んでいる。座間高校も Polestar という高いレベルの教科書でLesson6あたりまで進む。ここは数学の進度が早く、すでに数2の範囲が試験の範囲だ。大和西は Exceed という平均的なレベルの教科書を使ってはいるのだが、とにかく進度が遅い。今回もLesson3や4というのが試験範囲だ。すでに11月末なのに教科書の前半部までしか進んでいない。湘南台高校と荏田高校は PowWow というちょっと易しい教科書だ。しかもLesson4とか5が試験の範囲と進度もゆっくりだ。
おわかりだろうか。私立の進学校の生徒たちと闘う大学受験を考えると、UnicornやPolestarでの学習だけではなく、さらに進んだ学習が求められる。それなのに、そうした教科書よりも難易度の易しい教科書で進度もゆっくりだとすると、「差」が広がっていくばかりになっていく。それが高校だということだ。
生徒は高校という小さな枠の中で相対的な自分を考えがちだ。しかし、大学入試は全国区だし、その先の社会というのはすでにグローバル化している。小さくまとまっている時代ではない。高校でぬるぬると緩い毎日を過ごしてしまったのと、切磋琢磨した毎日を過ごしたのでは、その先で取り返しのつかない差が生まれていく。
高校の先生はきっと目の前にいる生徒たちにあわせた指導をしているのだろう。だからこうした差が出てくる。それはしかたがないと思う。ただ、小学校から中学に進むのと、中学から高校へ進むのでは、明かな違いがあること。このことだけはしっかりと肝に銘じて高校選択をして欲しい。