増え続けるAO・推薦入試
AO・推薦入試による大学進学者が人数、比率ともに毎年のように増え続けている。13年度で国公立・私立大の合計で43.6%、私立大のみだと50.7%となった。
AO入試というのは知識の修得状況に重きを置かない入試だ。ただ、この仕組みが多くの私立大学では生徒の青田刈りに利用されているのも事実だ。文科省は受験生の学力を把握するために筆記や口頭試験を課すようにうながしている。
国公立大ではその流れの中で、センター試験を利用する選抜に移行している。センター試験の得点に基準点をもうけ、それをクリアしたものが出願できる。その後に論述や口頭試問といった試験が課されて合否か決まっていく。
さらに「国際バカロレアや外国語のコミュニュケーション能力」を評価する方式を採り入れる大学も出てきている。
国際バカロレアは、筑波大の全学部で、慶應義塾は法学部で、順天堂大は医学部で導入することを決定している。外国語のコミュニュケーション能力については、首都大学東京が英語能力テストのスコアを出願条件にするグローバル人材育成入試の導入を決めている。東京経済大も同じような入試を実施するようだ。
AO・推薦入試は出願資格や選抜方法が多彩なことが特徴だ。しかも、すでに大学に進学する生徒の半数はAO・推薦入試での進学になっている。今後もその数や全体に占める比率も増え続けるだろう。多彩なことは良いことなのだが、複線化した選抜は受験生とその親に混乱をもたらすことにもなる。すなわち「よくわからない」ということだ。
学習塾が、こうした多様な大学入試制度の中での、進学への水先案内人でありたい。