私立校か公立校か
今の親世代が小中学生だったときと比べて、私立校も公立校も大きく変わっています。ですから、私立or公立といった議論そのものがすでに古い、という部分もあります。公立の中高一貫校もあり、公立高校も単位制の総合コースをはじめとして多様な選択肢があります。小中一貫の学校も作られるようです。私立校も進化し続けています。親世代が子どもだったとき評判の悪かった私立校が大きく変わっている例もたくさんあります。
そんな中で、私立なのか公立なのかといったことを含めて、子どもの進路選択を考える際に大切なポイントをふたつあげておきます。
1 親が自分が子どもだったときの経験に照らして今の子どもの進路選択を考えないこと。
時代は動いています。10年前の常識は今では常識ではありません。私立or公立の選択も含めて、今の子どもをとりまく教育の状況を、親はしっかりと情報収集して理解すべきです。たとえば「私立はお金がかかる」といったことも常識ではありません。国公立の大学の授業料は60万円近くします。私立大学の文系の授業料は90万円台のところが多いです。大学の授業料でさえ、公私の違いはここまで狭まっています。
2 自分の子どもの適正を見きわめること。それこそが親の最大の仕事。
私立なのか公立なのか、といった議論は意味がありません。自分の子どもにはどちらが向いているのか、ということを考えましょう。そういった意味で、公立校にも多様な選択肢が増えています。他人がどうであろうと、自分の子にとって最適な選択肢をアドバイス出来るようにしましょう。私立中学入試をするかどうかも、わが子にとってそれが適しているかの判断がすべてです。高校選択にしても同じことです。
一般に私立校は公立校に比べて競争の原理が大きくはたらいています。世間の風にさらされる機会も多く、私立校どうしの切磋琢磨もはげしいです。ですから、悪い私立校はどんどん淘汰されてしまいます。現在、残っている私立校は、ある意味では「しっかりと生き残った学校」といえます。ですから「はずれ」を引くことは少ないでしょう。公立校も昔に比べると、情報公開もされてますし、特色ある学校づくりも進んでいます。
進路は子どもに任せてある、はダメです。これだけ学校ごとに「違い」がある状況の中で、大人の目でしっかりとそうした情報を分析し、かみ砕いて子どもに伝えることをしないと絶対にだめです。そこは親の責任です。