国語の論説文の読解法

突然ですが、ひとつ問題です。

つぎの選択肢は本文で著者が述べている意見に一致していると思いますか、そうではない思いますか? もちろん、本文がないので判断がつかないでしょうが、「勘」でマルかバツかを判断してみて下さい。

「ナンバーワンよりオンリーワン」は僕の好きな言葉だけど、だれも他人の人生を生きるわけにはいかないのだから、本当の個性が大切なんだね。

言ってることはしごくあたりまえなのだからマルだろう、と考えた方は多いのではないでしょうか。昨夜の中3の国語の授業でも、この選択肢はマルだと答えた生徒が多かったです。実は、こうした選択肢をマルと答える感覚が、入試の国語問題を解いていく上で最も排除しなくてはいけないものなのです。

正解はこの選択肢はバツです。本文で筆者は、個性が大事だといわれるが、個性なんてものは存在していない。みんなが個性とよんでいるものは、外界の刺激に対して反応した心の動きであって、刺激の内容が違えば反応は違うのが当然だ、といった論を展開しています。つまり、普通の中学生の常識に反する論旨です。

国語の入試問題というのは、このように一般的な考えとは違う筆者の論を展開した出題が多いです。つまり、国語のチカラとして、筆者の論旨をしっかりと読み取れるか、を試されるのです。自分はこう思っているけれど、この文の中で筆者はこんなふうに言ってるんだな、ということが読み取れるかどうかが大切になるのです。

よく国語の読み取り問題、とくに論説文の読み取りができなくて、という声を聞きます。そうした生徒は、文章を読んでいるようでいて、勝手に自分なりの解釈を加えて読み取っているのです。逆に言うと、自分の常識に照らし合わせて「正解」の選択肢は疑ってかかるべきなのです。そのぐらいの意識で問題に対していくべきです。

お前の意見を聞いているんじゃない、文中で筆者がどう言っているのかを聞かれているんだ、ということを肝に銘じて選択肢に対することです。といっても、生徒たちは何度も「自分の意見」で勝手な読み取りをしてしまいます。それを修正するのは私の仕事ですが、これがなかなか難しいのです。

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