県立大和高校訪問記

10月28日に神奈川県私塾協同組合の高校訪問で「県立大和高校」を訪ねてきました。教頭先生の中山拓憲先生に対応していただきました。お忙しい中をありがとうございます。
さて、「県立大和高校」の基本情報です。詳しくは後のパンフをご覧ください。
■ 所在地
・〒242-0002 神奈川県大和市つきみ野3-4
・TEL:046-274-0026
・小田急江ノ島線「中央林間駅」下車徒歩12分 東急田園都市線「つきみ野駅」下車7分
■ 特長
・学力向上進学重点エントリー校
・「グランドデザイン」に基づく方針:確かな学力の育成/豊かな人間性の滋養/キャリア教育・進路実現/地域交流・教育環境整備。
・総合的な探究の時間(企業連携等)の取組を展開(教育課程研究開発校としての取組を継続)。
・進路指導:スタディーサポート、校内実力模試、進路講演会、大学説明会、小論文・面接指導 等を体系的に実施。
■ 大学合格実績 2025年 学校パンフより主要校を抜粋
【国公立】
・横浜国立 11、電気通信 4、東京(東大)1、東京外国語 1、東京科学(旧・東京工業)3、東京学芸 2、東京海洋 2、東京藝術 1、一橋 2、東京農工 2、筑波 1、信州 2、琉球 2、ほか 合計:国公立計 50
【公立大】
・東京都立 3、神奈川県立保健福祉 2、横浜市立 7、など 公立計 14(国公立計に含む内訳)
【私立(抜粋)】
・青山学院 72、学習院 12、慶應義塾 12、上智 14、中央 63、駒澤 27、國學院 25、成蹊 11、成城 21、専修 42、東海 33、芝浦工業 17、工学院 19、東京電機 8、東京都市 39、東京農業 12、北里 12、順天堂 3、昭和女子 14、昭和薬科 6 ほか
学校のパンフ






さて、ここからは当日の様子です。お話のテーマごとにかいつまんで要旨をまとめました。
1 学校の「いま」について
*行事・部活という伝統と、主体的学習/探究・ICT活用という新しい実践が共存。
*コロナ禍を経て多くの学校では行事を縮小する傾向があるが大和高校はちがう。本校では行事を様々な資質・能力が成長する場ととらえている。
*周囲の仲間との協同による新たな価値を創る経験を重視。
2 大和の校風:行事・部活と非認知能力
*行事・部活が活発で、主体性・協働・粘りなど非認知能力を育むことを学校文化として重視。
*「行事・部活で頑張る → 受験でも伸びる」という価値観が教員にも浸透。
*昔ながらの学校の良さ(行事・部活)を手堅く継承。
3 進学実績とスタンス(進学重点“エントリー”校)
*第一志望実現を最重視しつつ、進学実績の向上にもコミット。進学重点エントリー校だが将来は「進学重点校」を目標。
*「やりたいことを曲げてまで難関大へ」ではなく、励ましの中で各自の第一志望を叶える方針。
4 「主体的な授業」と「総合的な探究の時間」の骨子
*学校横断テーマとして“主体的な学習”と“総合探究”を推進。授業はペア/グループワークや端末活用。
*探究は7年目。探究は段階設計:高1探究の基礎とグループ探究→高2個人探究→高3論文・発表。授業はペア/グループワークや端末活用を前提化。京都の堀川高校や兵庫の長田高校などを視察するなどして探究授業を深めている。
- 高1:テキスト(学事出版)で探究の基礎(課題設定→仮説→調査→結論→次の問い)。11/10に中間発表へ向けスライド作成。
- 高2:個人探究へ移行。高1での体験を踏まえ本格的にテーマを深掘り。
- 高3:論文作成と発表。後半は進路活動へ比重移行。
5 先生たちの頑張り
*行事・部活・主体性・知識の四立で教員への負荷は高いが、みんな主体的に取り組んでいる。
*トップダウンではなく、教員自身が主体的に授業設計。相互見学などで実践を磨いている。
6 進路指導の強化(見える化と接点)
*学年別『進路の手引き』、模試の計画受験、保護者講演会。
*面談の必須化(高1・高2、3年も強化)。高2の第一志望宣言。
7 推薦・総合型選抜への姿勢
*5教科にバランスよく取り組み一般入試に取り組む生徒が多い。
*3年夏以降の学習で大和生の学力は上がる。
*総合型選抜志望の生徒のサポートも行う。
8 受験生へのメッセージ
*忙しさを前提に自己管理できる生徒に向く。
*行事拡充(例:マラソン大会検討)=非認知育成の強化。
*行事・部活・探究・学力を“自分事”としてやり切る意欲を歓迎。
*文理を決め打ちせず、満遍なく挑戦する姿勢が校風に合う。
以下、訪問してのわたしの感想です。
大和高校はここ数年で大学合格実績をグングン伸ばしている学校のひとつです。もともと人気校でもあり、毎年の入試倍率は1.5倍から1.6倍とかなり高いです。当然、合格するためにはかなりの実力が必要となります。
交通の便も良く、田園都市線沿線をはじめとして横浜、川崎地区からの生徒が半分をこえています。大和市内からの生徒は1割ちょっとのはずです。田園都市線沿線には進学重点校の川和高校がありますが、最近はそことの差はぐっと縮まってきているようにわたしは感じています。今回の訪問は、そんな大和高校の「いま」を少しでも知りたい、それを受験生に伝えたいという思いがありました。
教頭先生が何度もおっしゃっていたのは「行事も部活も探究も、もちろん勉強も3年間みんな頑張る学校」だということです。大和高校の生徒たちはとにかく忙しい。65分の授業も当然のこと、探究に部活になんでも頑張る。そんな文化があり、それを後押しするように、並走するように、大和高校の先生方も忙しい。そんなすべてのエネルギーが渦のようになって学校全体を包み、どんどん実績を伸ばしている。そんなイメージを持つことが出来ました。ちょっとほめすぎかな(^。^)
教頭先生は前任校が湘南高校ということで、そことの比較で大和高校の話をしていただけました。湘南高校といえば県内の県立高校の中でも「行事に部活に勉強にもっとも忙しい高校生活を送る」ことになる学校です。大和高校もそれに近い空気の学校なんだと受験生は思っていいのではないでしょうか。3年間、何に対しても頑張れる、挑戦していける、そんな生徒は大和高校に進学すると充実した3年間を送れるようになるはずです。
校務にお忙しい中ご対応いただきました教頭先生の中山拓憲先生にこの場をお借りして感謝の意をお伝えしたいと思います。ありがとうございました。
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