元号についてのお話 その1
新しい元号が「令和」となったとのこと。
2回に分けて小中高校生向けに元号の話しをしたいと思います。
元号が最初に使われたのは、小学生でも知っている「大化の改新」の「大化」です。西暦645年ですね。日本という国の名前が使われはじめたのもこの頃です。
中国では王が即位すると元号が定められ、そこを起算点として年数を数えていました。中国の周辺国ではその数え方に順っていたのですが、新しい国づくりをスタートさせた飛鳥時代の当時、元号も日本独自でつくろう、という機運があったのでしょう。
以後、皆さんが知っている歴史上の出来事は元号とともにありました。
- 大宝 701~704 大宝律令 「律」は刑法、「令」は民法、行政法
- 和銅 708~715 和同開珎 日本で最初の流通貨幣
- 天平 729~749 天平文化 奈良の平城京を中心に華開いた文化
- 延暦 782~806 延暦寺 最澄によって開かれた寺
- 承平 931~938 承平・天慶の乱 平将門、藤原純友の乱
- 安和 968~970 安和の変 藤原氏による他氏排斥事件
- 承久 1219~1222 承久の乱 後鳥羽上皇による鎌倉幕府討伐の乱
- 永仁 1293~1299 永仁の徳政令 日本で最初の徳政令
- 建武 1334~1338 建武の新政 後鳥羽上皇による新政
- 文禄 1592~1596 文禄の役 豊臣秀吉による朝鮮出兵
- 亨保 1741~1744 亨保の改革 8大将軍徳川吉宗による幕政改革
- 寛政 1789~1801 寛政の改革 松平定信による幕政改革
- 天保 1830~1844 天保の改革 水野忠邦による幕政改革
- 慶応 1865~1868 慶応大学 福澤諭吉によって設立された大学
ざっと上げただけでもこれだけあります。小学生で10こぐらい、中高生は数十個の元号を「あっ、聞いたことがある」となるはずです。元号は以外と身近な存在なんですね。
実生活の上でも、硬貨には元号が刻印されていますし、卒業証書なども基本は元号、就職活動などで履歴書に自分のことを記入するのに元号も使うことも多く、元号は身近な存在です。ある調査では、20代の7割が元号必要派(逆に40代は5割が不必要と答えています)だとのこと。若い世代ほど元号に親しみを持っているのですね。
元号によって自分の生きている時代を区切る見方ができます。昭和世代や平成世代、といった言い方です。日本史の教科書にも「大正ロマン」なんて語が出てきます。元号とともに時代の雰囲気をつかんでいるのでしょう。新しい元号になって、平成というくくりで今の若者たちを論じることも多くなっていくはずです。
確かに元号を使っているのは今では世界で日本だけとのこと。西暦の方が便利だ、という意見もたくさんあります。また、元号はもともと天皇が時も支配する、という考え方に基づいているという考えもあります。いろんな意見がある中で使いはじめられる「令和」という元号。皆さんも、自分と元号とのかかわりかたを考えてみましょう。
同時に、元号ごとに日本史の出来事をまとめてみるのもよい学習になりますよ(^_-)