大学入試共通テストのプレテストを国語を中心に

大学入試共通テストのプレテストがおこなわれました。https://www.asahi.com/articles/ASLC55VM1LC5UTIL033.html

問題は https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test_h30_1111.html にあります。

おさらいをすると、この共通テストは「現高校1年生」が大学受験をする2021年1月から実施されます。今までの大学入試センター試験に代わるものとなります。

大学入試センター試験は、国公立大学だけでなく、ほぼすべての私立大学が「センター利用試験」などという形で採り入れています。新しい「共通テスト」がそれだけの私立大学に採り入れられるかはわかりませんが、すでに早稲田大学などは、一般試験のなかに採り入れることをアナウンスしています。

このテストでは、センター試験で出題されてきたマーク式問題に加え、国語と数学に記述式問題が導入されます。また、英語も4技能を評価する問題に変更となります。ただし、英語については2023年度まで2技能(「読む」「聞く」)を測る試験と民間団体が提供する英語4技能の資格・検定試験が併用されることになっています。

今回、記述問題が加わった国語の問題を見てみましょう。

現行のセンター試験では、現代文の出題は「論説文」と「小説文」です。それが、共通テストでは、問1に複数の論理的文章の組み合わせが出題されています。昨年の施行テストでは「生徒会の規約について」という実用的な文章が出題されましたが、この問1は様々な出題になっていくのでしょうか。また、20~30字、40~50字、80字以上120字以内の3問での記述問題が出題されています。記述については深い思考力を問うより、短い時間でいかに情報を処理し記述できるかを試すものになってしまっているようです。

ほとんどの記述は、与えられた資料に基づいて、必要な部分を抜き出したり、まとめられたりすれば解答は得られるようになっていて、難易度としてはそれほど高くはありません。神奈川県の公立高校入試の国語の最後の問題の発展形と考えると良いでしょう。それでも、120字の文章を時間内で書きこなすことは、ふだんからの練習が必要なことは間違いないです。

問2は評論、問3は詩人の詩とエッセイからの出題となっています。とくに問3については、センター試験をふくめて小説文の出題が続いていたのが大きく方向転換しています。これからは短歌、俳句などの韻文を含めて文芸的文章の様々なジャンルから題材をとった出題となることが予想されます。

国語全体としては、語彙力などの知識理解、文脈や全体の構成・論旨を把握する読解力だけでなく、複数のテクストを比較、解釈する力や、条件の推論と行った応用的な思考力・判断力、記述を含めてそれらを的確に表現する力など、多様な国語の力を求められる問題になっています。

とはいっても、難易度的にはそれほどむりのある出題ではなく、かえって上位層では得点差がつきにくいものになっているのかな、とも感じられます。

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