県立 横浜翠嵐高校 を訪問してきました
今日の午前中は「神奈川県私塾協同組合」のお仲間の皆さんと「県立横浜翠嵐高校 http://www.yokohamasuiran-h.pen-kanagawa.ed.jp/zen/zen.html」を訪問してきました。年間50校の高校が見学に訪れるいう中、わたしたちのためにわざわざ佐藤校長先生にご対応いただきました。本当にありがとうございました。
わたしは翠嵐高校を訪れるのは初めてでした。自宅から横浜市営地下鉄で「三ツ沢下町駅」まで行き、そこからは徒歩10分ほどで学校でした。帰りは、地下鉄で「あざみ野駅」まで出て、田園都市線で「中央林間駅」まで50分ほど。意外に近いことにちょっとびっくりでした。ちなみに、横浜駅からバスで10分ほど、徒歩でも20分ほどで学校に到着します。
さて、横浜翠嵐高校といえば、神奈川県の4校の進学重点校のひとつというより、湘南高校とツートップで県内の県立高校を引っ張っている進学トップ校です。今春の進学実績は以下の通りです。東京大学/14名、京都大学/13名、東京工業大学/17名をはじめとして国公立大学へ205名が進学。そのうち148名が現役合格です。全校生徒の4割強が国公立大に、それも上位の国公立大学が中心です。これは県内というより、国内の公立高校の中でトップクラスの実績といって良いでしょう。
それほどすごい実績を出している横浜翠嵐高校ですが、平成19年にそれまでの流れから大きく舵を切って10年を経て今の姿になっています。どんなふうに変わったのか、ものすごく興味がありますよね。校長先生のお話をまとめると以下のようになります。
1 先ずは、入学直後の生活週間、学習習慣の指導をしっかりとやる。厳しかった高校受験を終えて、志望高校に入学した生徒たちはどちらかというと達成感で「これから」という意識を持ちづらい。けれども大学入試を考えると、この子たちが高校入試をしている間に中高一貫の進学高の生徒たちは「先取り」学習をしている。大学入試ではその子たちとたたかうことになる。しかも、高校入試はどちらかというと「知識」に隔たっている。高校に入学したのがゴールではなくスタートだという意識をしっかりと持たせることが大切。
2 文系でも理数科目、理系でも国語や社会といった科目を必修とし、高い目標を貫かせている。多くの高校生は文系だからといって数学を選択しなくなる。翠嵐生は文系でも数学をしっかりとやっている。結果、自然とたたかう相手が少なくなっていく。また、理数系の科目は45分と50分を合わせた95分授業として演習量をたっぷりととっている。土曜講習も年間で15回程度実施し、その日の午前中は部活動も不可としている。その他、季節講習もおおく準備されていて、とにかく横浜翠嵐の授業はそのまま大学進学に結びついている。
なお、きめ細かい生徒支援、教育相談体制の充実は、担任を中心として日常的におこなわれているとのことです。すごいですね。あれだけの高倍率を通り抜けた優秀な生徒たちが、これだけの厚い学校の指導を受ければ、すばらしい進学実績を出せるということです。
書きたいことはたくさんあるのですが、何よりも今日の訪問で印象深かったのは校長先生のお人柄というか、子どもたちに向き合う姿勢の素晴らしさでした。短い時間でしたが、そうしたものをひしひしと感じられました。
たとえば、
「横浜翠嵐高校には探究心が旺盛な生徒に来て欲しい」
「今の生徒には、もう少し“自分でいろいろなことをやっていく力”を持って欲しい」
「主体的に学ぶ力を持つには“体験”が必要。保護者の方には子どもたちをどんどん外に連れ出して欲しい」
「知識の習得と再生だけでなく、その知識を使って欲しい。保護者の方には、つねに“伸びしろ”を意識した指導を心がけて欲しい」
また、特色検査の話題の中で
「これからは答えがひとつでない問題への対応も大切。記述の問題も増えてくる。そんな中で、採点する人にわかりやすい解答を書くことができる力をつけて欲しい。そのために、日ごろから自分の考えを明確に相手に伝えることを心がけて欲しい」
新入生を迎えたときの資料の中の言葉です
「本校には横浜翠嵐高校1年生としての“覚悟”をもって入学してきてください。中学と同じ気持ちでは、本校の学習・生活を進めていくことはできません。我々は、みなさんが“中学4年生”になることを求めていません。“横浜翠嵐高校1年生”になるとめに意識を変えてください。」
「確かな学力を身につけるには“人に間時間教わったか”ではなく“時間をかけて、いかに自分で学習したか”にかかっています」
高い能力をもって入学してきた生徒たちが、あらゆる面で「高い頂き」を目指すことができるように学校がサポートする。そんな姿が今日の訪問から浮かび上がってきた「横浜翠嵐高校」の姿かと思います。これからも他の進学重点校とともに神奈川県の高校生たちを引っ張っていくトップ校であり続けるのでしょう。もちろん、目指したい学校です。