読書感想文の書き方
夏休みの宿題で必ず出されるのが「読書感想文」だと思います。課題図書を読んで感想文を書く、というものですが、この宿題が悩みの種になる生徒が多いことでしょう。その多くは「何を書いたら良いか分からない」というものですよね。読書感想文にも「書き方」があります。「書き方」にそっていけば、そこそこの文章を仕上げることはできます。今日はそんな読書感想文の書き方についてです。
読書感想文は本の感想を書くのではない
[su_highlight background=”#f9f76e”]読書感想文は本の感想を書くものではありません。[/su_highlight]本の感想を書こうとするから、何を書いて良いか分からないし、書き始めてもすぐに鉛筆が止まってしまうのです。「わたしは△△の書いた○○という本を読みました。とてもおもしろかったです。」といった文章です。
では何を書けば良いのか。それは[su_highlight background=”#f9f76e”]「本を読んでの気づき」[/su_highlight]です。読書感想文も、どこかに遊びに行っての体験記も、誰かにお話しを聞いてのレポートも、どれも「自分の中に生まれた気づき」を書くものです。[su_highlight background=”#f9f76e”]本や体験やお話は、そうした気づきを導き出すためのきっかけ[/su_highlight]に過ぎません。
「気づき」ってなんだろう
それでは本を読んでうまれた「気づき」ってなんでしょう。それは[su_highlight background=”#f9f76e”]「自分の心の変化」[/su_highlight]です。
多くの生徒は物語文やドキュメンタリーを読むのでしょう。そこには主人公や話題になっている人が登場します。その人たちの生き方や行動が読み手の心に何かを投げかけてくるはずです。その投げかけに対して、共感を持てるにしろ持てないにしろ、何らかの「心の動き」があるはずです。それが「気づき」です。
まずは、本を読んで、そこに出てきた登場人物や話題になっている人の行動や生き方を読み取ります。そして、それに対して疑問を投げかけます。その疑問に対して自分は「YES」なのか「NO」なのかの立場をはっきりさせます。そして、その「YES」か「NO」の理由を箇条書きで書いていきます。さらにそこから「自分なりの決意」に進めていきます。
これが感想文の柱になります。
浦島太郎の物語を読んだとします
- 気になったこと・・・玉手箱を開けたらおじいさんになってしまったこと
- 疑問・・・どうして開けてしまったのだろうか
- 自分の意見・・・YES 自分も開けただろう
- その理由・・・開けないと気になってしょうがないだろうから 閉じ込められていた時間は楽しい時間だった 楽しい時間はすぐに過ぎてしまう
- 決意・・・楽しい時間は思いっきり楽しみたい
こんな感じで良いのです。
読書感想文には「未来の自分」を書く
[su_highlight background=”#f9f76e”]「読書感想文に書く内容は、この「決意」の部分を中心にします。[/su_highlight]「読書体験」→「気づき」→「これからの自分」という流れの中で、「これからの自分」の部分を柱にした文章にしよう、ということです。
読書はあくまでも自分の「気づき」を導き出した「体験」でしかなく、[su_highlight background=”#f9f76e”]書くことの中心は、その「気づき」と、そこからうまれた「未来の自分」にする[/su_highlight]のです。そこには自分の体験を交えるとより良いでしょう。
ひとつの文は短く
わかってもらえましたか? 読書感想文は、読んだ本の感想を書くのではなく、そこからうまれた自分の心の中の「気づき」を書くものだ、ということです。もちろん、良い文章の書き方、というのも大事です。今日はそれについてはふれませんが、ひとつだけ「How To」を伝えておきます。
ひとつの文は短く
ということです。400字詰めの原稿用紙なら、2行以上句点がない、というのはもうダメです。文を区切って、接続詞でつないで新しい文につなげていきましょう。とにかく「一文は短く」ということさえ守れば、ある程度読める文章になるはずです。