「英語民間試験、半数活用せず」という報道の「うそではないが事実ではない」点について

昨日のニュースです。中高生のお子さんをお持ちの保護者の方は関心を持って読んだのではないでしょうか。

英語民間試験、半数活用せず 萩生田氏「大学の声聞く」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191004-00000021-asahi-soci

2020年度から始まる大学入学共通テストで活用される英語民間試験について、文部科学省は4日、全国の大学・短大計1068校のうち、大学入試センターを通じて成績の提供を受けるのは561校になったと発表した。私立大は約57%にとどまるなど、約半数が活用を見送ることになった。国立大は約94%、公立大は約78%が活用する。

ただ。マスコミの報道は 「うそではないが事実ではない」 というものばかりです。この報道もまさにその伝です。なにが事実ではないか、という。

「英語民間試験、半数活用せず」はうそではないですが、正しくは 「大学入試センターを通じての英語民間試験の活用は私大では半数にとどまった」 ということです。「半数活用せず」といわれると「私大の入試では英語の外部検定試験は使われないんだ」との印象になってしまいます。マスコミの報道はそれをねらっている書き方です。

しかし、 すでにほとんどの私大では英検をはじめとした「英語の外部検定試験」は利用されている のです。以下は「英語外部検定試験」を現高3が受験する来春の入試で利用する大学の一覧です。

2019年一般入試

主な大学の外部検定利用状況

https://passnavi.evidus.com/gaibukentei/09.html

これをみるとわかるように 「ほぼすべての私立大学」が「かなりしっかりと」英語の外部検定試験を入試に採り入れている ことが分かるはずです。この状況は現高2生が受験する2020年度も変わることはないはずです。

先日も書きましたが、2020年度から「大学入試センター」が生徒の「英語の外部試験」のデータを一括で収集し、それを各大学に提供するという「成績提供システム」がスタートします。 今回の報道はその「成績提供システム」を利用して「英語の外部検定試験」の結果の提供を受ける私立大学が全体の半数にとどまった、 ということなのです。

個別に「個人で自分の外部検定試験の結果」を各大学に申請しての利用は今まで通りになるでしょう。ですから「ほぼすべての私立大学」が英語の外部検定試験を何らかの形で入試に利用するというのが正しいニュースだと言うことです。

問題なのは、 英語の外部検定試験を大学側に提供するルートが「大学入試センター」と「個人」の2ルートになってしまっている複雑さ です。だんだんと「大学入試センター」に統一されていくのでしょうが、来春入試では混乱は必至です。マスコミの「うそではないけどし事実ではない」報道に惑わされることなく「自分にとって正しい情報」を手に入れるようにしていきましょぅ。

参考までに

「大学入試英語成績提供システム」利用大学一覧 文科省のホームページより 10月4日

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/10/04/1420469_3_1.pdf