小学生や中学1、2年生に相対的な成績の出る試験を実施する意味

中1生と中2生に12月に実施した「全県模試」を返却しました。また、今日の午前中は、非受験クラスの小学生のまとめテストを実施しています。こうしたテストの持つ意味についてお話ししたいと思います。

小中学校の成績は絶対評価です。繰り返しお話をしていますが、保護者の方が小中学生だったときは相対評価です。どちらも「5 4 3 2 1」の数字で出されるので違いが判然としませんが、まったく違う評価法です。相対評価は、「評定5は7%」「評定4は24%」「評定3は38%」「評定2は24%」「評定1は7%」と、それぞれの評定の枠が決まっていて、そこに生徒を当てはめていきます。

偏差値との相対ではだいたいこんな感じになります。評定5/偏差値65以上 評定4/偏差値55~65評定3/偏差値45~55 評定2/偏差値35~45 評定1/偏差値35以下

こうした評定をつけるために、昔の学校の定期試験は「正規分布」させるように作られていました。中央に山があって左と右に行くにしたがって値が小さくなるグラフです。したがって出題される問題も、易しい問題から難しい問題まであって、先生方は「どれだけ正規分布させるか」に苦心した問題づくりをしたものです。昔は「オール3は真ん中の成績」、つまり平均的な成績といえたのでした。

それが、今は絶対評価です。

絶対評価は「生徒が目標に対してどれだけそれを実現できたか」を評価するものです。人数ではなく各教科ごとの到達度の目標に応じてつけられます。極端な話し、全員が目標に到達していれば全員が5で良いですし、逆にひとりも到達していなければ5が0人でも良いわけです。また、絶対評価では、テストの点数だけではなく、授業態度や提出物なども評価の対象となります。テストが100点であっても、提出物などがなければ4になるのです。

さて、相対評価から絶対評価に変わって、それぞれの評定はどのぐらいの人数配分になっているのでしょうか。残念なことに、神奈川県はそうしたデータを以前は公表していたのですが、今は出していません。東京都と千葉県のものを参考にしてください。

東京都 https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/press_release/2020/release20200326_05.html

千葉県 https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/press/2020/koukounyuushi/documents/r2cyousasyohyouteicyousakekka.pdf

相対評価の時とはまったく違いますね。評定5から3までに8割以上の生徒が入っています。つまり「オール3は真ん中の成績」とはまったくいえなくなっているわけです。わたしは絶対評価はよい成績の出し方だと考えています。ただ、入試は「相対評価」です。1点でも得点が上の生徒が合格します。昔は学校の評価と入試の結果にそれほどの乖離はありませんでした。それが、絶対評価の今は大きく違うことも出てくるようになっています。

学校の成績が「オール5」だとしても、県の高校入試で6割ぐらいしか得点がとれない、なんてことをよく見かけます。学校の成績は「細かい目標に対しての到達度」ですから、こつこつ積み上げる子には有利なのです。そして、そうした子が「正規分布する入試問題」で得点がとれるとは限らないのです。

なにが言いたいのか。

保護者の方は、学校の成績だけでなく、相対的な子どもの学力を知っておく必要がある、ということです。

コツコツ積み上げるのタイプなのであれば、高校入試も、大学入試も「推薦系」の入試にのぞめば良いわけですし、「実力勝負型」であれば「一般入試」で勝負をしていけば良いのです。つまり、今どきの入試は、高校入試も大学入試も一本道ではなく多岐にとんでいるので、子どものタイプに合わせた受験をすればよい、ということです。そのためにも「絶対評価」だけでなく「相対評価」も知っておきましょう、というお話でした。