クニマスは生きていた! 池田まき子著(汐文社)
小学生の国語塾と私立中学受験クラスで6月に読んでいく本の紹介です。
「クニマスは生きていた! 池田まき子著(汐文社)」
光村図書の中学1年生の国語の教科書に掲載されている「幻の魚は生きていた」の原作です。何年か前に、絶滅していたはずのクニマスが発見されたことが話題になりました。この本は、どうしてクニマスが絶滅したのか、そして、そのクニマスへの強い思いを持った漁師によってクニマスが生き延びた経緯がお話の中心です。
説明的文章ですが、物語的な要素も多分にあって、一気に読めてしまう本です。面白い一冊です。自然と人間との関わり、環境問題、漁業権という経済問題、戦争・・・とつっこみたい部分はあちこちにあります。時系列に沿って文章が進んでいくこともあって、ノートまとめもさせやすいです。
まずは「事実」をしっかりとおわせます。「事実」と「意見」の部分を読み分けることが説明的な文章を読んでいく上では大切です。事実の部分を抜き出していけば「要約」ができていきます。説明的文章を読むのが不得意な生徒は、この読み分けが出来ていません。段落ごとに中心となる事実を書いている部分を抜き出していくだけども「要約」はできていきます。
あとは、そうした要約をつないで文章の流れをつかんでいくことです。段落相互の関係をとらえる、ということですね。そうした意味ではこの本はとても素直に文章が流れていくのでとらえやすいはずです。わかりやすいので「段落の役割」を考えさせるのにはよいともいえます。さらに「要約」から「要旨」へとつないでいきたいです。