「読解力」の考え方は大きく変わろうとしています

ひと言で「読解力」といっても様々な「読解力」があるのをご存じでしょうか。

最近よく言われる「読解力」は「PISA型の読解力」であって、従来型のとくに「学校の国語の授業であつかわれる読解力」とは大きく違います。新しい「大学入試共通テスト」も各都道府県の高校入試の国語の問題も、私立中学の入試問題も、すべてこの「PISA型の読解力」に大きく舵を切っています。

どんな点が違うのでしょうか。テストの出題から考えてみます。

従来型の国語のテスト 文章の出題がほとんど 実生活と離れた出題、生徒の興味・関心には無頓着

PISA型の読解力テスト 図表やグラフ、地図などの「非連動テキスト」の出題が多い 実生活に関連したもの、生徒の興味・関心に即した出題が多い

PISA型の読解力が求めているのは「クリティカルリーディング」です。文科省は「そのテキストについて、内容、形式や表現、信頼性や客観性、引用や数値の正確性、論理的な思考の確かさなどを「理解・評価」したり、自分の知識や経験と関連づけて建設的に批判したりするような読み」と定義づけています。

簡単にいうと、文章を読みながらつねに「なぜ」と切り込む読み方です。

読むことをインプットにとどめず、そこから「発信する」といったアウトプットにつなげる読み方です。著者の主張をしっかりと読み取り、その内容を論理的に評価し、さらに自分の意見を組み立てていく土台とする読み方です。「クリティカル」とは「批判的」という意です。「批判的にテキストに対する」読み方が「クリティカルリーディング」なのです。

起承転結という論理展開が従来型の読解力だとすると、最初に結論を述べて自分の意見を明確にし、そのあとで根拠を述べていく方法が「PISA型の読解力」といってもいいでしょう。

それほど「読解力」の考え方が変わってきているということです。わたしは指導者ですからそうした分析を丁寧におこなっています。生徒にもそうした観点からの指導をしています。高校入試の問題はすでに何年か前からそうした方向に舵を切っています。来春の「大学入試共通テスト」ではかなりの大きな変化があるはずです。