読解力の根っこは語彙力

小5のお子さんを持つお母様からこんなメッセージをいただきました。

テスト結果(夏の講習中に実施した全国学力テスト)を見て文章を読むのが苦手だとは思っていましたがここまで分かっていなかったのかと驚いています。頑張れば文章を理解できるようになるのでしょうか。

読解力は、誰かが書いた文章を読んで『書いた人の言いたいこと』を理解することです。理解するためには「書き手」と「読み手」をつなぐ「言葉」が理解できなければなりません。すなわち「読解力」というのはそのまま「言葉のチカラ」なのです。では「言葉のチカラ」とは何でしょうか。その基本は「語彙力」です。

Miyajukuでは小学生に「言葉の学校」を必修としています。自分の好きな本を読んで、そこに出てくる「語彙」の意味を理解しているかを確認する小テストをおこなっていきます。びっくりするほどわかっていないまま読んでいることがわかります。

たとえば「うわのそらだった」という部分を「難解で理解できなかった」という意味として読んでいたりするのです。もちろん『書いた人の言いたいこと』はわかっていないはずです。

漢字のチカラも「語彙力」と深い関係があります。「代わる」「変わる」「替わる」「換わる」の区別が出来るかは文章を読む上でとても大切だということです。漢字力のある子は間違いなく読解力が高いです。

では、どうすれば「読解力」のもとになる「語彙力」をつけることができるのでしょうか。「語彙力」は経験値とともに自然と身についてもいきます。子どもよりも大人の方が「語彙力」が高いのはそのためです。ということは、子どもたちの「語彙力」をあげるためには「経験値」をあげることなのです。

読書をすることで「語彙力」がつくのは、読書を通して経験値を上げることができるからです。ただ、そこには指導が必ず必要です。好きな本をいくらたくさん読んでも「語彙力」がつくとは限りません。先ほどの例のように「ことばの学校」でも、読んだ本の中に出てきた言葉のチェックをするから「語彙力」がついていくのです。

これらのことには手間と時間がかかります。しかもなかなか数値化して見えるようにすることもできません。算数、数学のように「できた」「できない」もはっきりしません。ましてやテストの点数や学校の成績にもすぐに結びつきません。だからどうしても後回しにされてしまうのです。

家でお父さん、お母さんと日常的に「論理的な会話」をしている子どもは「語彙力」は高いです。子どもたちがもっとも時間を送っている家と学校が「語彙力」をつける大切な場なのです。先ずは家での子どもさんとの会話を見直してみることです。できればお父さん、お母さんがいっしょに同じ本を読み、それについて話しをする時間を持つなどしてみてください。

面倒です。でも、この面倒なことを繰り返さないと「語彙力」はつきません。「読解力」は伸びていきません。もちろん、miyajukuでもこの面倒な指導を繰り返します。「ことばの学校」だけでなく、他の教科をやりながらも「語彙力」をつけさせる指導を継続します。毎月のニュース作文もしっかりと「語彙力」を意識しながら書かせます。ただ、塾に来る時間はとても短いです。少しずつ、少しずつしかチカラをつけさせることはできません。

子どもたちにとって「語彙力」は一生のものになります。ここはちょっと家庭での語彙力アップ指導を頑張ってみましょう。あらゆる場面で「語彙力」アップを意識してみることで子どもの「読解力」は劇的に変わっていくはずです。

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