薬科大の将来には暗雲が その1
小田急線の玉川学園駅から徒歩15分。いきなり、○○公園ですか、というほど広大な緑の場所があり、そのなかにきれいな校舎が整然とあった。人工の小川が流れ、それを滝のように流した円形の広場を中心として建物が配置されている。
職員の方の対応、個別相談の教授の先生の説明、どれをとっても◎だった。えらい人によって設立された大学ではなく、何人かの有志の学生たちによってスタートした学校らしく、今でもそうした伝統が受け継がれて「あたたかく」「民主的な」雰囲気を作り出しているようだ。
さて、薬学部の現状だが、小泉改革により平成14年に37校だった薬学部が来年度は55校になるそうだ。学生数も平成14年に9,000人だった入学者数が来年度は15,000人ほどになるとのこと。しかも、今後とも増え続けるとのこと。
逆に、薬剤師の合格者数は7,000人ほどで推移しているので、今は薬学部の在学者のうち8割が合格している国家試験が、数年後には半数しか合格できないことになるわけだ。厚生労働省は国家試験の合格者数を増やす気は全くないらしい。さらに薬剤師あまりは平成23年度頃から顕著になり、薬剤師の免許をとっても就職先はない、などということが起こってくるようなのだ。どうも薬科大の将来には暗雲が立ちこめているように思えてならない。
薬学部は6年間で1,300万ほどの授業料を必要とする。理系の女子の場合には薬剤師という資格が取れることが魅力で、その資格を持っていれば将来困らないだろうと考えている者が多いようだが、薬学部の将来はそんなに甘いものではないようだ。
それにしても、小泉改革ってなんだったのだろう。薬学部にも自由競争の原理を持ち込んで、どんどん増設していく。そんなこととは知らずに高い授業料を払って進学しても、6年後には黒雲が漂っていたとしたら・・・
いずれにしても、知らない、ということは悪でしかない。薬学部志望者の子供をお持ちの御父母の方、下記ページなどを参考にされてください。
写真は昭和薬科大