大学入試の基礎知識 その3 「大学全入時代」
大学入試の基礎知識 その3 「大学全入時代」
数日前の朝日新聞朝刊に「文科省補助金 定員割れ私大減額拡大」という見出しの記事が1面に書かれていました。要約すると、定員割れしている学部の統合や廃止に取り組む大学の補助金を新設する一方、定員割れを放置する大学への補助金をカットしていくというものだ。
定員割れが生じている私大の数は06年度で全私大の45%に達しているという。これらの大学、学部では、実質的に「全員入学」が実現している。一方、難関大はますます受験者を集め、難易度が上がっているのも確か。「全入時代」というのは、一方では「大学の2極化」を生み出しているわけだ。
こうした中での大学入試をどう考えれば良いのか。とにかくどこの大学でも良いのであれば、何も勉強しなくとも、極端な話し「中学生レベルの学力であろうとも」どこかに行くことは可能だ。逆に、難関大学は相変わらずの難易度を保っている。
私は、「何を目的として大学に進学するのか」という明確な目的意識を持つことがとても重要だと考える。大学も「勝ち組」と「負け組」に二分している中で、必死になって生き残り策を講じていることも確かだ。それだけ魅力あるプログラムも作り出されている。シラバスをはじめ、中身の透明化も進んでいる。何をしに大学に行くかを考える材料をいくらでも手に入れることができる。
ちょっと立ち止まってじっくり考えてみよう。