息子の夏休み

就職先も決まった大学4年の息子は、昨日から和歌山県の白浜に行ってしまった。「時間がある今のうちに世界中でもまわってきたら? お金は貸すよ。」と提案したのだが、卒論の実験のために和歌山県の白浜にある近畿大学の研究所に夏休みの間2ヶ月間こもるのだそうだ。近畿大学の研究施設でないと、大型魚の飼育施設がないらしい。

ノカルジアというブリやカンパチ、ヒラメの感染症予防のためのワクチン作りが卒論のテーマらしい。白浜への交通費やら滞在費やらをふくめて、研究費は明○製菓という企業がすべて出すという。明○製菓って、そうした魚の薬や畜産の薬も作っているのだという。

もちろん、学部4年の学生の研究、というよりも、研究室に対する研究費の補助と言うことなのだろう。大学院の先輩や教授といっしょに和歌山に飛んでいった。2ヶ月間、ブリやカンパチにワクチンを接種しては経過を観察する毎日を過ごすのだろう。新しい人との出会いもあるだろうし、研究費を請求するための書類の作成などをふくめて鍛えられる夏になるはずだ。

小、中学生の自由研究と同じにしちゃかわいそうだけど、小、中、高、大と16年間の学生生活の集大成がこの夏休みなのかもしれない。研究職の道ではなく、普通に会社員の道を歩いていくことになったが、自分なりに納得のいく夏休みにすればよい。

こうやって書くと、やりたいことを見つけることが大切だ、なんてことを言いたいのかと思われるかもしれない。そんなことは言うつもりはない。家の息子も与えられた環境の中で自分をどう実現していくかを考えているだけだと推察する。私はいつもそんなことを言い続けているからだ。進路を考える中、高生へのアドバイスだが「自分が何をしたいか」なんてあまり根をつめて考えない方が良い。そんなこと考えたって見つかるわけない。
 
大事なことは「見つけようとすること」その姿勢があればよい。あとはいろいろ考えずに一所懸命に勉強すること。そうすれば自然に進む方向が見つかっていく。いちばんダメなヤツは「何をしたいかわからなくって」といいながらちっとも勉強しないヤツだ。そんなヤツになるなよ。

とにかく、できるだけよい環境に自分をおくこと。そうすれば、周りが君を引っ張っていってくれる。人って、結局は周りによって作られていく生き物だ。とにかくよい環境に自分を置くように。そうしたステージにあがれる自分になれるようにすることを第一に考えよう。

環境さえ整えば「やりたいこと」なんていくらでも見つかるってもんだ。やりたいことは「見つける」んじゃなくて、「見つかる」ものだってこと。それを忘れないようにね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次