Next Stage
予備校帰りなのだろうか、制服から私立の桐光学園の生徒だとわかる。ちょっとのぞいてみると、もう何千回も何万回もページをめくったのだろう、本はぼろぼろになっている。小さな付箋も色分けされたものがあらゆるページに貼られている。この子なりに意味のある付箋なのだろう。
Next Stageは左ページに例文があり、右ページにその解答と解説が載っている。この子の本には、左ページの例文に○△×のマークがあり、例文の中の重要語には赤のラインマーカーが引かれている。もちろん、例文の中の重要語法などは最初から赤文字で印刷されていて、赤いシートをかぶしてチェックできる。この子は自分なりに覚えるべき単語まで同時にチェックしているわけだ。
隣の席で、とにかくものすごい集中力で赤いシート片手にNext Stageと格闘している姿はすがすがしかった。と同時に、子の子にはmiyajukuの高校生たちは誰もかなわないなぁ、と思わされもした。残念なことにこの一所懸命さはmiyajukuの生徒にはまだない。
miyajukuの生徒たちにも、とにかくNext Stageを十回は征服しよう、と言っている。これ一冊をしっかりと覚えきれば、中堅大~やや難しいレベルの大学の問題であればほぼ間違いなく解くチカラをつけることができる。私の感覚から言うと、早慶の問題でも8割ほどはこれだけでOKだろう。とにかく繰り返すこと。集中して繰り返すこと。英語の成績を飛躍的にアップさせるための最短の道なんだ。
でも、誰もそこまでの覚悟でNext Stageに取り組んでいない。つい最近も、高2生にそうした話をしたばかりだった。
どこの大学を目指しているのかわからないけど、頑張れよ! と、電車を降りていく女の子に声にならない声援を送った。そして、もう一度、miyajukuの高校生たちにもNext Stageに真剣に取り組むよう啓発しようと覚悟を決めた。