全国模試の返却
こうした模試を実施する最大の目的は、生徒の相対的な評価を知る、ということにある。いつも言っていることだが、学校の評価は小学校も中学校も絶対評価になっている。絶対評価は、ある単元のある項目が出来るようになったかどうかの積み上げで評価がついていく。他の同学年の生徒との相違的な評価ではない。それぞれに良い点、悪い点があるが、今の生徒、御父母の方は、相対的な評価を知る機会がなくなっていることが問題だと思っている。
相対的な評価を知ることは厳しさをともなう。とくに、今の子供たちはそうした評価に慣れていないのでより難しい面がある。今回も、小5は5,000人の中で、小6は7,900人の中での教科ごとの順位が出ている。その数字を見て、ショックを受けるお母様もいることだろう。でも、そうしたことに目をつぶっていてはいけません、と言いたい。現状をしっかりと認識すること。そこからしか学力の向上はありえないからだ。
さて、今回の成績表のどこをしっかりと見ておいていただきたいかを書いておく。
まずは偏差値をしっかりと見ていただきたい。偏差値は40から60の間に約70%、30から70の間に約96%がおさまるようになっている。おおむね45~55の間に入っているのであれば、ごく普通の成績だと考えてもらっていいわけだ。逆に、偏差値が40を下まわっているということは、全体の下位15%に入ってしまっていると言うことで、いろんな意味で考えなければいけない信号だととらえて欲しい。とりあえずの目標としては、どの教科も偏差値で55をこえた成績をとるところにおきたい。このラインから上が上位1/3の層だということだ。おおざっぱにいって、高校入試であれば座間、海老名などの中堅校、大学入試であれば日東駒専のラインということになる。
また、7月の模試の結果との比較にも注目していただきたい。矢印が上がっていれば問題ないが、下がっている教科があったとしたら、ここでしっかりと手当をしていくようにしたい。もちろん、私の方でも生徒一人一人の成績を精査して今後の指導に役立てていくつもりだ。そのための模試でもあるのですから。
それと、中学生については志望校判定をつけている。学校成績を考慮していない、今回の模試の結果だけからの判定なので、あくまでも目安としてとらえて欲しい。それでも、大和高校の偏差値が63だとすると、上位10%にいないと入れない学校なんだな、といった意識を持つ良いきっかけになってくれると思う。大和西高校ならば偏差値で54なので、上位30%あたりの成績が目安だと言うことがわかる。
好むと好まざるとにかかわらず、子供たちは大人になるにつれて相対的な評価にさらされていくことになる。目をつぶるのではなく、そうした評価を積極的に知り、そうした数字にこだわるのではなく、それを学力向上の糧にしていくことが大切なのだと思う。
最後に、miyajukuは学習塾ですから、数字にはこだわっていきたいと思っています。