危機感
たとえば、英語では「内容を整理して自分の意見を英文で表現する」といった問題が出題される予定になっている。山登りに行く、といったシチュエーションの英文を読み、その内容を理解した上で、山登りに持っていくのに必要なものとそれを持っていく理由を英文で答えなければいけない。かなりの能力を要求される。また、会話文を読んでの内容をふまえ20語以上30語以内の英語2文を書く問題も出題されるという。
もちろん、普段の学校での英語の授業をしっかりと聞き、その予復習をし、定期試験前にはきちんと勉強をして結果を出す、といったことが基本であることは間違いない。であればこそ、中学校の先生は、少しでもこうした県教委の予想問題を念頭において定期試験の問題を作ってくれるとうれしい。こちらもそのテストの対策がそのまま入試対策に結びついていく。だが、そうなっていないのが今のところの実感だ。
とにかく昨年末の出題例はどの教科も「あぜん」とするほど高度なものだった。どれぐらいの生徒が、国語の論説文のある部分を読んで50字程度の要約文を書けるだろうか。会話文を読み、グラフなども参考にして150字程度の意見文を書ける生徒がどのぐらいいるだろうか。少なくともmiyajukuの中3生たちはほぼムリだろう。そんな訓練も日々の「学校の学習の補助」に追われて出来ていない。
つまり、来春入試は、中学校の学習と結びつかない、乖離した問題が新傾向として出題される。しかも、上位校では学校成績よりも当日の入試得点のウェイトが大きくなっている。毎日の授業をおこないながら、私はものすごい「危機感」をいだいている。どうすれば良いか、日々悩んでいる。学校の学習を追いながら、その先に入試問題を想定しての指導。これが言葉で言うほど簡単ではない。
国語では、国語力検定などをきっかけに「書く」という指導を入れていく。英語では、英検を利用して「教科書以外の英文の文意を読み取る」などといったことからはじめるしかない。同時に、中2生や中1生についても今の意識のままではゼッタイにダメだと思っている。
来春入試は 二極化 するということ。全体の平均点は2割ほど下がり、下位校を受験する生徒は新傾向の問題など解ける生徒は皆無で、上位校はそれらの問題で差がつく。そんな入試になっていくと言うことを、お父さん、お母さんも是非ともわかっておいていただきたい。