丹沢の森とクマ
さて、皆さんはこのニュースからどんなことを考えますか?
このニュースから、熊が出た、怖い、熊なんか駆除しちゃえ、と短絡的な思考しかできないのではなく、そもそも神奈川県に熊がいるんだ、どんな熊が何頭ぐらいいて、どんな暮らし方をしているんだろう、と考えを進めていって欲しいです。
8月に丹沢の森でおこなう「森の学校」ですが、こうしたニュースから、丹沢の森のこと、丹沢に住む生き物たちのこと、その森や生き物と私たちの関係、さらには地球環境へと考えを進めていく子どもたちになって欲しい、といった願いがあります。それも机の上での学習ではなく、実際に丹沢の森の中で考えるのです。その森の中には実際に熊が生活している。そんな想像の中で考えるからこそ、子どもたちの心を揺さぶり、子どもたちに自然と自分との関係を考えさせるきっかけになるのです。
神奈川県の丹沢の森には30頭ほどのツキノワグマが生息していると言われています。24年度で7頭が捕獲されています。捕殺は0頭です。全国では24年度だけで自治体に届け出があっただけでも2500頭近いツキノワグマが捕殺されています。多いのは長野県、群馬県、福島県、山形県などでそれぞれ280頭から380頭が捕殺されました。
さて、なんで今年は熊が丹沢では人の近くまで出てきているのでしょう。今までも出てきていたのにニュースになっていなかっただけ、というのが正解かと思います。今までだって一年間に10頭ほどは捕獲されて山に戻されていたわけです。急にクマが増えたわけではありません。たまたま人と出会い、それがニュースになった、というのが実際だろうとわたしは思います。
必要以上に「たいへんだぁ」とさわぐのではなく、このニュースをきっかけとして「どうしてクマが人と出会うことになったのだろう」「丹沢のクマを取り巻く今ってどんななんだろう」ということを考えるきっかけにして欲しいです。えっ、なんでか知りたいですか。それなら「森の学校」に参加してみてください(^_-)