スローペースの生徒たち

ここのところちょっと気になることがある。

何かをするのに「ものすごく時間がかかる」生徒についてだ。

そうした生徒は今までもいたが、以前とは違った傾向として、「ものすごく時間がかかる」ということに気づいた。最近のそうした生徒は、あくまでも「自分のペース」を守るといった意味で、スローペースを「わざわざ選択している」ように思えるのだ。とにかく「無理をしない」というか、「無理をしようとしない」という様子がうかがえる。

彼ら、彼女らは、圧倒的に遅いペースを守ることで、出来ることだけしかやらない、といった覚悟を決めているかのように勉強を進めていく。たとえば、昨日の試験対策の演習のように、個々に学習を進めていくような形をとると、生徒ごとに進度の差がでてくる。個別形態での進め方なので、それはそれでかまわないのだが、どうしようもないぐらいスローペースな生徒がいる。決して出来ないのではない。とにかく時間がかかるのだ。

時間がかかる理由はいろいろとある。

定規を使い、様々に色を使い、丁寧に書いていく。つまづいた問題でじっとしたまま先に一歩も進まない。わからないからといって質問もしない。ただひたすらにじっとしている。シャーペンをばらして掃除をはじめる。シャー芯を丁寧に入れ替える・・・・ 

出来ない問題にぶつかったときの対処が、学習が出来る生徒と出来ない生徒の「差」になるのだが、こうしたスローペースの生徒たちは、それ以前の問題として「出来ない問題」はやらないといった覚悟を決めてしまっているかのようだ。そんな無理をするぐらいなら勉強をストップさせてしまった方が良い、といったことかのようだ。

こうなってしまう理由はいろいろあるだろう。ある意味で、無理をさせないといったことは時代の雰囲気ともいえる。今時の保護者の方にはそうした傾向がある。わが子に「無理して」何かをさせるよりも、「無理する」前にやめさせてしまう、といった方が多いのも確かだ。この子なりにやってくれれば、といったことだ。

難しい。こうしたスローペースの生徒たちは、学習意欲がほとんどないとか、前向きではないとかいったわけでもないのだ。出来る、出来ないで分けると、出来ない方には入ってしまうが、それでもどうしようもない、といったことでもない。きちんと教えてあげれば前には進んでいく。ただ、誰かの「手助け」があってのことで、それがないと一歩も前に進めないことは間違いない。

これでは「自分で問題を解く」ことはいつまでたってもできるようにならない。

さて、どうやって指導していこうか・・・

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