社会の「年代順に並び替える」という問題の攻略法
公立高校入試の社会の問題には「年代順に並び替える」という問題が頻出します。今春の入試問題をみると、問3の(イ)、(ウ)、問4の(ア)、(ウ)と4問も出題されています。それなりの対策を必要とする出題数ですよね。
さて、「年代順に並び替える」という問題の対処方としてすぐに「年号を覚えなければ」となるのがふつうでしょう。でも、「年代順に並び替える」問題を攻略するのに年号を覚える必要はありません。少なくともmiyajukuではそうした指導をおこないます。
実は、大学入試センター試験にも、私大の入試にも「年代順に並び替える」問題は頻出します。高校生への指導も中学生と同じで、覚える年号は最低限にさせています。どうしてでしょうか。
入試問題に「年代順に並び替える」問題がたくさん出題されるのは、決して受験生に年号を覚えさせるためではなく、歴史にとって最も大切な「時代の流れ」を理解しているかを確かめるためだからです。ですから、どの問題も「時代の流れ」をしっかりとわかっていればできるようになっているのです。
たとえば、今春の県入試の問3の(イ)です。「この仏像」というのは、写真で「東大寺の大仏殿」が掲載されています。
さて、この問題をどう考えるか、ということです。
白村江の戦い・・・天智天皇(正確にはこの時は中大兄皇子)の時に百済復興を援助して朝鮮半島で唐と新羅の連合軍と日本が戦った。
天武天皇(大海人皇子)・・・天智天皇の弟で、天智天皇の死後壬申の乱で、天智の子の大友の皇子を倒して天皇になった。
このことを知っていれば、唐が中国を統一しないと白村江の戦いはありえないし、白村江の戦いは天智天皇が関わっているのだから、c→a→bという答えは簡単に導かれるはずです。年号を知っておく必要はありません。ただ、これらの出来事が7世紀半ばの出来事だということは知識として持っておきたいです。
次の(ウ)の問題も、写真が「平等院鳳凰堂」だとわかり、それ以前の出来事である 4 の「坂上田村麻呂」の選択肢以外の3つを並べ替えます。これについても、保元の乱というのは、院政側と天皇側の対立があったことを知っていれば2→1の順序がわかり、3が承久の変のことを述べているとわかれば鎌倉時代の出来事なので、2→1→3で2が最も古い出来事だとわかります。
では、どうすれば「時代の流れ」がつかめるようになるのか、その学習法については稿を改めます。