神奈川県の公立高校入試の出題範囲も削減のようです
先日も書きました https://miyajuku.com/20200530-コロナ後について/ が、高校入試の出題範囲が神奈川県も減るようです。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-382650.html
「安心して受験できるように、3年生が受験までに学んだ内容のみから出題する」と県の教育長が述べたというニュースです。各教科の出題範囲は7月のはじめまでに示すそうです。
例年ならばすでに「各高校の募集要項」もこの時期に出ているはずですが、それも今年は出されていません。「募集要項」というのは各高校ごとに「内申と入試と面接」の比率を来春入試でどうするのか、というものです。
たぶん、出題範囲の削減部分と同時に発表になるのでしょう。
さて、出題範囲が削減されることの問題点です。
- 過去問が利用できなくなる
- 模試のデータが活用しにくくなる
- 出題傾向ががらっと変わってしまうかもしれない
- 未修部分を残して高校生になることで高校範囲の学習がわからなくなる
何よりも、過去問が利用できないことがいたいです。削減が予想されるのは数学では三平方の定理などですが、関数や図形の問題のあちこちで三平方の定理は利用される出題がされています。これがなくなれば、そうした問題のすべてが出題されなくなることになり、その代わりに他の「なにかわからない出題」が増えるということです。受験生にとってはメリットは何もなく、デメリットしかありません。
模試のデータが活用できないこともいたいです。すでに模試会社は今年の問題をすべて作り終えているはずです。今から削減内容を考慮した模試問題を作ることはできないでしょう。つまり子どもたちは、100点満点にならない模試を受験し、その結果で志望校を判断していくしかないのです。
さらにいうと、削減された部分は他の単元に代替されるわけで。公民分野の経済分野は削減が確実でしょう。その出題は10数点分です。それが地理や歴史などに振り向けられるのでしょう。しかも経済分野であれば「こんな出題になる」という予想ができたのが、代替分野についてはまったく予想が立ちません。
正直、出題範囲の削減は、子どもたちにとっては負担でしかないわけです。どうしてこんなことをするのかまったく理解できません。何度もいいますが、子どもたちにとっての最善の策は
入試日程を3週間ほど後ろ倒しにして、1月、2月もつかってしっかりと中3範囲を終えること
です。コロナ禍の中で「大人の事情」というか「タテマエ」ばかりが優先し、ほんとうの意味で子どもたちのことをかんがえていない施策が多すぎるように感じます。とにかく、削減を前提としてこのあとの塾での学習をしっかりと組み立てること。それがわたしの仕事ですし、子どもたちのためになることだと信じてやっていきます。