合格後も『塾依存症』想定外の出費
私立中に受かれば、もう塾とはおさらばできるはずだった。ところが合格後も『塾漬け』の毎日から抜け出せない。そんな子供達が増えているという。学費だけなら何とか出せるはずだったのに・・・。受験前に描いていた家計の収支計画が大きく狂いはじめる。
こんな書き出しで記事ははじまる。ひとつの家庭の例として、長女が中・高一貫の私立に通い、授業料、交通費などで年間150万円の出費、それに大手予備校の中・高一貫コースの塾代が67万円、それに講習費などを加えると年間に250万円ほどの教育費がかかる。当然、下の子も私立に行きたがるが、この出費の×2を負担する余裕もなく、といったものだ。
実際、夫の年収が800万円だと、塾に通わなかったとしても、2人目の子どもの中学入学を機に家計は赤字になり、妻がパートで100万円程度かせいでなんとかやり繰りできる。それでも「車や住宅をあきらめざる得ない」。どうしても多くの家庭は、祖父母の援助など外からの支援頼みになる。そうした援助がない場合、1人の子どもを私立の中・高一貫校に通わせるならば「年収650万円」が受験可能な下限だと・・・ 記事はそんなふうに続いていく。(わたしは個人的に650万円ではきついと思うが)
確かに、中学受験をする家庭の親は30歳代後半から40歳代前半だろう。その年齢で年収800万円をもらっている、というのはかなりの稼ぎだし、それでもなお赤字になるというのだから、私立中学入試はハードルが高いといえる。
首都圏では小6生の20パーセント以上が中学受験をするようになった。だが、この経済情勢の中、一気にその熱も冷え込むことが予想される。川崎や横浜の北部地域など、50パーセントをこえる小6生が受験をする。まわりに引きずられてムリして受験している家庭も多いのではないか。
こうした仕事をしていると私立校の良さもわかっている。正直、今の日本の教育の仕組みでは、親が子に投資をどれだけするかで子どもの学力が決まってしまうのが現実だ。かといって、親が倒れてしまってはどうしようもない。
付け加えると、最も教育費がかかるのは子どもが大学に在学中だと言うこと。理想は「公立中→公立の進学重点校→国公立大」ということだろうが、その道を歩めるのは同学年の数パーセントに過ぎないことも現実だ。
親の悩みはつきない。と同時に、miyajukuの子供達には、そうした親の気持ちを出来るだけ伝えたいと私は思っている。「君たちは幸せだ」と。「塾に通わせてもらっていること、そのことを親に感謝しなければいけない」と。