勉強がいきなりできるようになる魔法はありません。
あるお母さんとの会話です。
「数学がまったくダメなんです。わかっていないようなんです」
「何がまったくダメなんですか?」
「とにかく全然わかっていないようなんです」
「たとえば、具体的にどんな問題が出来ないのを見てダメだとおっしゃっているのでしょう」
「公式が使えていないというか」
「今回の試験範囲に公式などないはずですが」
「文を式にする問題もできないですし・・・」
△△ちゃんは数学が苦手だ。嫌いでもある。でも、お母さんが言うほどわかっていないわけでもない。確かにミスは多いし、自分勝手な方法で問題を解くことも多い。かけ算よりも足し算の方が計算しやすければそっちから計算してしまう。
そんな子はたくさんいる。
もちろん途中式は書かない。当然、途中式を書くことを繰り返し指摘する。その時は書くのだが、またその次の授業では書かないでミスをする。この繰り返しだ。私はこうした時に怒鳴ったりはしない。そんなことをしてもムダだからだ。自ら「途中式を書くことの大切さ」を自覚しなければ根本的な解決にはならない。粘り強く指摘し続ける。
時間はかかる。学習指導とはそういうものだと私は考えている。粘り強く、粘り強く、本人の自覚をうながしていく。
塾に通わせているのだから当然成績は上がるはずだ。それも短期間に・・・ そういう期待をお母さんが持たれるのはしかたがありません。でも、ひとりひとりのたどってきた学習履歴やその子の性格を把握し、的確な学習指導を施せるまでには時間はかかります。私はそうした指導を心がけています。
勉強がいきなりできるようになる魔法はありません。