段階を踏んで考えていく問題

小6受験生が上記のような問題に苦しんでいる。それほど難しい問題ではないのだが、今の子供達は「段階を踏んで考えていく問題」がとても不得手だ。これは、中学生にも同じようなことが言える。この問題を中1や中2の生徒にやらせても、半分の生徒は出来ないだろう。

まずは図2から「8分のところでグラフの傾きが変わっていること」に気づかねばならない。多くの子がそれに気づかない。というよりも、そこが重要だということがわからないのだ。図1を見れば、途中から「底面積」が増えている。一定の水が入っていけば途中で深さの変化量が変わるはずだ。「あっ、8分で傾きが変わっている」となるはずなのだが・・・

そこにさえ気づけば、図1の下の段の深さが24cmだとわかる。8分で12リットル/分の水が入っているのだから96000立方センチメートル。96000÷24で底面積は4000平方センチメートル。4000÷50で□は80センチメートルとわかる。

(2)はもう少し難しくなる。それでも発想は同じだ。(28分-8分)×12リットルで240000立方センチメートルの水が上段に入っている。これを底面積で割れば深さは48センチメートル。下段と足して72センチメートルが水の深さ。これが容器の深さの3/4だから、比べられる数÷割合で96センチが全体の深さ。したがって容器の容積は50×100×(96-24)+96000で456リットル。

今は1時間ぐらいかけてこうした問題を数問解かせている。さらに、家で再び同じ問題を解かせ、つぎの授業でもう一度テストしている。その繰り返しだ。こうした流れの中で、問題を解いていく「目」を身につけさせたいのだ。どこに「気づく」ことが大切なのか。「糸口」がどこにあるのか。そんな問題を解くための嗅覚を身につけさせたい。

普通の小学生は式が2つ以上になる問題を解くことは学校ではない。そうした子供達の多くは中学生でこうした「段階を踏んで考えていく問題」にぶつかるとまったく思考停止になる。学校の定期試験でもこうした問題は出題されないことも多い。そうなると高校生でもこうした「段階を踏んで考えていく問題」が解けず、社会に出ても「問題解決能力」が持てなくなってしまう。そうならないためにもmiyajukuの小学生たちには、受験をしなくてもこうした「段階を踏んで考えていく問題」に取り組ませている。

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